魚屋の注文
いよいよ明日は大晦日。店主は、明日の商品お渡しに備え、鯛を焼き、お刺身用のサク取り。私を含め、他のスタッフはおせちの詰め合わせ作業。例えばおせちに入れるカマボコは、一箱あたり何切れ入れるから、総数何切れ、かまぼこは何本、というように、絶えず何かをカウントしながらの作業を進めていく。
だが、こういう時にまた多いのが電話だ。しかも正月の注文である。20日に予約の締め切りを行い、ある程度は追加が入ることは想定して、仕入れも若干多めにしておくが、明日大晦日を前に、今からご予約品はさすがにご用意できない。
スーパーも営業しているし、テレビではアメ横の賑わいが報道されるから、ご存知ない方も多いだろうが、築地は今日が今年最後の営業である。明日から1月5日の初荷までは休み。そして魚は早いものは28日には入荷が終わってしまう。だから、例えば昨日「明日鯛を持ってきて」と言われても、運よく入ればね、という話になってしまう。
お断りすると、「あ、そうですか」とあっさり切る方もいるが、中には落胆して黙ってしまう方がいる。向こう側で沈黙し、諦めがつかないのか、電話をお切りにならない。お気持ちは分かるが、お渡し品の用意中でもあり、忙しくしている中、電話の対応にあまり長い時間を割けないのが実際のところだ。
電話が終わってから、ちょっと感じが悪かったかなと反省するのだが、(さて、どこまでやってたんだっけ?)と、作業のリズムがすっかり狂ってしまう。来年の年末は留守番電話にすることも検討しなくてはいけないかもしれない。



















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