October 11, 2009

町会のご注文

数週間前のこと。どこかでお目にかかった覚えのある老紳士が、お店をたずねてきた。
「○○さんがさぁ、なんかあったらこちらのお店、使ってやってくれよって、生前言ってたからさ」
○○さんとは、私達が大変お世話になった某大旦那である。
そうそう、この方、大旦那と仲良しで、よく市場に来ていたっけ。
大旦那ったら、そんなこと言ってたんだ...と、店主とともにじーん。
「で、祭りがあるんで、おつまみみたいなの、お願いしたいのよ」
「勿論喜んで承ります。で、おひにちはいつで...?」
「それがさぁ、11日の七時なんだよね、夜の」

この△△さんのお住まいは、白山神社の氏子町会。
通常、一般のご注文、お届けは、お休みの日はしないのだが
大旦那のご紹介で、わざわざ真砂町まできてもらったんじゃ、お受けしないわけにはいきません。

ということで、お昼は旅館の配達。一度自宅に戻り一息ついてから、夕方6時頃店主は店へと出かけていった。

夕食の用意が出来た頃に店主が帰宅。
「△△さん、お祭りなんでおつまみって言ってたじゃん」
そうだね、鉢払いだったんでしょ。
「いや、それがさ、お祭りやってたんだよね」
....???
「届け先が、神酒所になってんの。でさ、神輿かついでんだよ、みんなで」

△△さんに今日お祭りなんですか、と聞いてみたら
「そう、ほら丁度連休だったでしょ、みんな出かける用があるからさ、延期したの」
とおっしゃっていたとか...。
そういうの、ありなんだ...。
でも楽しそうだったというから、まっいいか。

Cimg3201

お届けした品物ではないけど、こんな感じでさつまあげや酢〆、焼き魚などを盛り合わせすることも出来ます。
オードブルのご用命もどうぞ当店まで。


| Comments (0) | TrackBack (0)

October 09, 2009

10月10日(魚の日/ととのひ)セールのお知らせ

いやぁ、昨日の朝はすごい風でした。出勤途中、ビル風にあおられ傘が「おちょこ」になっちゃいましたが、前を歩いていた細~い男の人が、おちょこ傘をもったまま横風にとばされていました。

さて、明日は何の日でしょう?ちょっと前だと体育の日でしたが、今年は12日。明日10月10日は、魚(とと)の日です。築地でも、イベントが色々行われるようです。

当店でも、日頃のご愛顧に感謝し、以下の特売品をご用意して、皆様のご来店をお待ち申し上げております。

秋の北海ちらし寿司 1食 500円
本マグロ角切り 1パック 600円
甘塩タラコ 100g入り 300円
しらす 1袋 200円

勿論、土曜日ですから、何をお買い上げされてもポイント(ぶんぶんカード)は2倍!

どうぞよろしくお願いします。

※品物は豊富にご用意いたしますが、万一売り切れの場合はご了承下さい。
お電話でのご予約も可能です。お早めにご連絡下さい。

| Comments (0) | TrackBack (0)

June 13, 2009

メジナとイサキ

夕方に出すお刺身や焼魚の調理も終えて、ほっと一息の午後2時ごろ。
飲食業を営む近くのお客様から、店主宛の電話。「ん?珍しいなぁ、注文かな」と電話に出ると、「はい、はぁ...。何が釣れたんですかね?あ、メジナ...」と話してる。
どうやら、釣果を捌いてほしいとのご依頼のようだ。

調理代はいただくが、当店の商品以外の魚の調理も、繁忙期(年末とか)やピーク時間(昼、夕方前後)でないかぎり、なるべくお受けするようにしている。ただ中にはちょっと困るご注文も。例えば、すっかり清掃を終え、焼き網も片付けた午後6時以降の直接お持込など。そういう時に限って、ものすごい量とか、焼くのに時間がかかる魚だったりする。鮮度を見て、切り身や刺身に切り替えてもらったりしたこともあった。

また12月になると、お歳暮の調理依頼が増える。近くの方だと、直接お品を持ってくるのだが、ピーク時間の時にはお預かりして、またご都合のいい時間に取りに来ていただく。ちょうど刺身や切り身の調理中の場合は、衛生上の問題もあり、作業を中止する訳にはいかないからだ。

今日のご注文は、大島で釣ったメジナとイサキ。写真の上がメジナ、下がイサキである。

Cimg2699_2

それぞれ塩焼きにし、メジナはソテー用に切り身、イサキはぶつ切りにしてネギを添え、タタキに仕上げる。
メジナはこの時期はかなり磯臭さが出るので、焼いたり煮たり、加熱して召し上がるのが良いようだ。

両方とも二尾ずつ調理し、残った数尾は店で使ってくれとのこと。とはいえ、勿論商品として出すわけにはいかないから、三枚おろしにして、スタッフのYさんと分け合う。

その日の夕食。イサキに塩コショウ、スリーブオイルを熱した後、両面をよく焼いただけ。
あえてガーリックもハーブも加えず。
Cimg2719

| Comments (0) | TrackBack (0)

February 21, 2009

納めの配達

当店では、小売のほか、飲食店や施設に食材を卸している。
ただ、その割合は、おそらく他の魚屋さんより少ない。
開業当初は、「卸を増やせば、経営が楽になる」と勧める人もいて、店主も近辺の飲食店などに飛び込み営業をしたりしたが、成果は全くなかった。
店主によると、その時のお店の人の反応は、やはり今でも覚えていて、「開業したばかりか、ウチも長年の付き合いがあるからさ、悪いな」という人もあれば、しっしっと塩をまいた(!)人もいたそうで、後者のお店は、勿論お客としても一度もその後足を踏み入れたことはない。
営業は一週間ぐらい続けたが、あきらめて、小売をしっかりやろう、ということになった。

その後、お客様としていらした方が、お店の奥様だったり、お客様から聞いた、という店主の方から配達のご相談をうけたり、少しずつ納めも扱うようになった。
納める量は、日によって様々。100食以上のこともあれば、数名分のこともある。

今日は、ある施設に、乾物のお届けがあった。隣の区の施設で、夜届けることになっていたが、店主は市場の打ち合わせに出るため、代わりに私が届けることになった。
丁度通勤定期も使えるし、生物ではないので、地下鉄を利用。
場所は知っているのだけど、館内に入ったことはない。
店主に聞いてみると、メモ用紙に、館内の見取り図を書き始めた。

玄関→食堂入口
と書き、食堂のところに大きくバッテンを書いて、

ここには入らず、となりのドアを開ける
と、加えた。

ドア→ホール→カウンター
「ホールは休みだから誰もいなくて暗いから、このカウンターの下の左側が中に入れるようになっている」
と話しつつ、

中のカーテンを開ける
と書いて、メモを渡した。

「中がキッチンになっていて、その隅に冷蔵庫があるから、ドアのマグネットに納品書をはさんで、品物は冷蔵庫の中にいれて」

最寄の駅より、現地について、通常の入口から中に入る。店主のメモを見ながら、無事厨房まで辿り着いた。
こじんまりとした、清潔なキッチンの明かりをつけると、確かに隅に冷蔵庫があった。業務用のステンレスのものではなく、家庭にあるような白い冷蔵庫だった。

初めて、納品先の厨房、それも休みで誰もいないところに一人入るのはドキドキする。
施設そのものは営業していて、利用者がぽつぽつと館内を歩いていたので、別に悪いことをしている訳ではないが、なんとなくそそくさと出て行った。

| Comments (0) | TrackBack (0)

January 01, 2009

明けましておめでとうございます

Cimg2415


新年明けましておめでとうございます。
平成11年11月に開店した魚寅は、今年10周年を迎えます。これもひとえに皆様のご愛顧のおかげと、店主はじめスタッフ一同感謝の気持ちでいっぱいでございます。
今年もどうぞよろしくお願い致します。

上の写真は、浅草は観音裏の洋菓子店、あろーむさんの年賀菓子。干支の牛を形どったクッキーです。

| Comments (2) | TrackBack (0)

December 30, 2008

魚屋の注文

いよいよ明日は大晦日。店主は、明日の商品お渡しに備え、鯛を焼き、お刺身用のサク取り。私を含め、他のスタッフはおせちの詰め合わせ作業。例えばおせちに入れるカマボコは、一箱あたり何切れ入れるから、総数何切れ、かまぼこは何本、というように、絶えず何かをカウントしながらの作業を進めていく。

だが、こういう時にまた多いのが電話だ。しかも正月の注文である。20日に予約の締め切りを行い、ある程度は追加が入ることは想定して、仕入れも若干多めにしておくが、明日大晦日を前に、今からご予約品はさすがにご用意できない。

スーパーも営業しているし、テレビではアメ横の賑わいが報道されるから、ご存知ない方も多いだろうが、築地は今日が今年最後の営業である。明日から1月5日の初荷までは休み。そして魚は早いものは28日には入荷が終わってしまう。だから、例えば昨日「明日鯛を持ってきて」と言われても、運よく入ればね、という話になってしまう。

お断りすると、「あ、そうですか」とあっさり切る方もいるが、中には落胆して黙ってしまう方がいる。向こう側で沈黙し、諦めがつかないのか、電話をお切りにならない。お気持ちは分かるが、お渡し品の用意中でもあり、忙しくしている中、電話の対応にあまり長い時間を割けないのが実際のところだ。

電話が終わってから、ちょっと感じが悪かったかなと反省するのだが、(さて、どこまでやってたんだっけ?)と、作業のリズムがすっかり狂ってしまう。来年の年末は留守番電話にすることも検討しなくてはいけないかもしれない。

| Comments (0) | TrackBack (0)

December 20, 2008

福島の穴子

昨日は美味しそうな穴子が入荷。
しかし、当店には目打ちがない。
そこへ通りかかったのは、先日テレビ出演してすっかり時の人となった、天ぷら小照のお父さん。

Cimg2400

お父さんは毎日たくさん穴子を捌いているものね。
「目打ち」役になって、捌き方の指導までしてくれた。
「いい穴子だねぇ。煮たらウマイぞぉ。」

Cimg2407

全部開いたところ。脂が乗っていてこれは美味しそうです。

で、早速煮てみました。一晩置いて、また弱火でじっくり炊いたのがこれ。

Cimg2409

ふっくら煮上がって、もうとろけそうでした~。

| Comments (0) | TrackBack (0)

November 23, 2008

納めの日の夕食

連休中日。お店は休みだけど、注文の納めがあるため、店主は太鼓の稽古から店に直行。

私は久しぶりに美容院に行き、髪をカットしてもらう。週休一日だと、なかなか美容院に頻繁に行けない。気がつくと、髪も背中のまん中ぐらいまで伸びていた。20センチぐらい思い切って切ってもらう。
トリートメントをしてもらっていると、施術していた男性が、「ボク、魚好きなんですよね。特に焼魚」と話しかけてきた。
(フムフム、見たところ二十代前半。お若いのに珍しい)どんな魚が好きですか?
「一番好きなのはサンマですね。あとイワシ」
珍しい。鮭とかカジキとかならともかく、青魚が好みとは頼もしいですね。
「でも一人暮らしなので、なかなか食べられないんですよね。自宅にも魚グリルないですし」
ウチでも焼魚、売ってますよ~。(でもこのお店からだとちょっと遠いか)
「外食の時は、焼魚がメニューにあれば必ずとってますよ。もともと、実家は魚が食卓に上がること多かったです。あと、おじいちゃんが、鯛の目玉の裏、食べてました」
栄養あるといいますもんね。
「でも友達は魚食べないですね。魚、ほぐせない友達もいますよ」
ほ、ほぐせないって...??
「さんまとか、丸の魚を、お母さんがほぐして、そのほぐし身しか食べたことないヤツがいるんですよ。だから、自分でほぐせないんです」
...。

さて、その日の晩御飯は、店主が持ってきた納めの刺身の切り落とし。
ごはんを炊き、酢飯にして、刻みのりをたっぷりちらし、刺身の落としをワサビをまぜた醤油にからめて、酢飯に載せていく。
Cimg2349

づけ丼の出来上がり。

| Comments (0) | TrackBack (0)

November 22, 2008

連休初日/菊坂 海燕(かいえん)

世間は今日から3連休。河岸も明日、明後日と休み。
こういう日の来客数予想は難しい。
天候もやや左右することはあるが、午前中バッと来るか、午後からぞろぞろと続くか、開けてみないとわからない。
ただ土曜日の傾向としてはっきりしているのは、殆どのお客様は刺身か散らし寿司を当てにしていること。

午前中が勝負と、早めに焼魚や刺身、寿司を店頭に並べ始める。
寿司は、作れる数が決まっているので、午前と午後に分けて出すのだが、午前11時で、午前に出す分が完売した。そのまま午後出す分を作りはじめ、お昼過ぎには、その日に売る分の寿司を全部売場に並べた。
3時までは順調だったのだが、5時を過ぎると客足が鈍り始め、6時頃になるとすっかりひまになってしまった。寿司も2食、刺身も1食売れ残り。これはこの日の店主の夕食。
結果的には、早めの売場作りをしてよかったことになるが、日によっては夕方の買い物時間には品薄になってしまうこともあったり、なかなかうまくいかないものです。

さて、寿司が2食とも店主のものになったのは、その日は私は友人と外で食事。
菊坂入口にある、ロシア料理の「海燕」を訪れた。ランチは何度か来ており、お祭りの時は神輿をかつぐ合間にピロシキを持ち帰ったり、すでにここの料理の美味しさは経験済みなのだが、友人のリクエストで初めてディナー訪問となった次第。

ここ、基本的にはご主人が料理を作りながら接客もしている。奥様なのか、女性がホールに立つ時もある。ご主人の接客は、お世辞にも愛想がいいとはいえないが、ラーメン店などにいる、崇拝者の客達が甘やかしているがんこ親父の類とは全く違うので、不愉快になることはない。料理作りに真摯な雰囲気が伝わってくる人だ。

前菜の盛り合わせ、ボルシチ、ロールキャベツ、ピロシキ、ベリメニ(ロシア風水餃子)と基本的なメニューをいただく。どれもコクがあるが、しつこくなく、酸味が絶妙な感じ。前菜はロールキャベツはシェアしたが、食事前にビール、食後にはロシア風のコーヒー(生クリームを浮かせて飲む)をそれぞれとって一人あたり3700円。満足してお腹をさすっていると、先客の下駄履きの年配の男性が、「スパシーバ(ありがとう)!」と店を出て行った。

| Comments (0) | TrackBack (0)

November 13, 2008

木曜は焼魚の日

木曜は焼魚の日。
もちろん、毎日焼魚は店頭に並べているのだが、一番品数を多く用意しているのが木曜だ。

いくつか紹介。

Cimg2317

鮭のハラス焼き。ハラスとは、お腹の部分で、脂のりが良く、もっとも美味しいところ。棒状にスライスしてあるものを、強火のグリルでカリっと焼く。皮はパリパリ、身は脂がジュルジュル。ごはんの友にも、おつまみにも最適。

Cimg2318

ブリの照焼き。これは養殖もの。天然ブリが美味しくなるのはもう少し先になりそう。
その他、甘塩鮭、サバ、ニシン、ホッケの他、ししゃも、丸干し、ギンダラやサワラの西京焼などが並びます。

一番品物が豊富に並ぶのはお昼前、それから夕方の早めの時間です。
焼きたての美味しさ、一度お試しくださいね。


| Comments (0) | TrackBack (0)

September 15, 2008

生魚の日

当店では、曜日ごとにおすすめ商品がある。
月曜は、生魚の日。
木曜は、焼魚の日。
そして、土曜が寿司の日だ。

寿司は土曜限定だが、他の日でも生魚も焼魚も売っている。
月曜に生魚の日を設定したのは、次の日が本郷界隈では「燃えるゴミの日」だから。
魚を買わない一つの理由が「ゴミが匂うのがイヤ」だそうだ。

で、ある月曜の様子。この日のおすすめは、サンマ、タカベ、そして秋鮭。

Cimg2080

秋鮭、どうやって食べてますか?
やはり美味しいのは塩焼き、バター焼き。オリーブオイルやサラダオイルでもいい。塩コショウして焼くだけ。
季節のキノコをニンニクといためてのっけてもいい。
その焼き身があまっちゃったら?
おすすめはチャーハン。骨に気をつけて粗めにほぐし、ネギのみじん切り、お好みでレタスの千切り、炒り卵といっしょにごはんを炒める。身は大きめ、緑と黄色の具と作るのが彩りもよくおすすめである。

| Comments (0) | TrackBack (0)

September 07, 2008

イカサマレース?

スルメの発泡についている気になるシール。
青森・下北は下風呂漁協ののものだ。

Cimg2075

で、よーく見ると...???

Cimg2076

烏賊様(イカサマ)レース?

Cimg2077

Cimg2078

シールのはじにはこんなイラストも。でも意味不明。

で、調べてみたら、なんと、本当に「烏賊様レース」なるものがあることが判明!

http://www.kazamaura.jp/bitiku.html

サムーイ駄洒落と思っていた。常設レース場があるなんて、並大抵の意気込みではないです。


| Comments (0) | TrackBack (0)

July 20, 2008

鯵のなめろう/暑気払い

話は一週間前の土曜のこと。

小さめだけど、いいアジがケース一杯入った。唐揚げにするにはちと大きいし、刺身の形には小さいとなると、たたきにでもするしかないが、香味野菜をたっぷり入れてなめろうにしてみた。

Cimg2040

投入したのはネギ、しょうがに大葉。

みそを加えてさらに叩くとあるが、アジはそれほど細かく叩かないほうが食感もいいような気がする。

出来上がり図。

Cimg2041


さて、この週は、地元の町会で、「牛の2頭分丸焼き大会」という、インパクト抜群な恒例行事が行われてたことにも感化されたか、当店の暑気払いも虎ノ門パストラルは、週末限定のステーキ食べ放題コースと相成った。今回は店主に私、スタッフ2名、特別ゲストに肉屋のお嬢さんのJさんの5名。

で、食べた肉の量はというと、店主とYさんが450g+お代わり200g、Nさんと私が400g、Jさんが300g。合計2400gを完食。

Cimg2043

お肉に挑んでいる時は、口数も少なめ...。

Cimg2044

これで400gです。デザートまでキレイにペロリ。

| Comments (0)

July 06, 2008

魚の値段が急騰?

久しぶりの更新ですみません。

ここのところ、お客様や知り合いによく言われること。「原油価格の影響で、お魚の値段、跳ね上がっているんだって?お魚屋さんも大変でしょ」

そこへきて今月の15日には、全国漁業協同組合連合会(全漁連)など漁業関係16団体が全国一斉に休漁するそうである。

そういえば、こないだニュース番組でも、まるで食卓から魚がなくなってしまうような報道をしていた。ひとりのコメンテーターは、魚食は日本の文化だから、このまま絶やしていいのか?とやや興奮気味に話していた。

さっそく店主に聞く。いかの休漁もあったけど、魚の値段はやっぱり急騰しているの?

築地に毎日仕入れにいく小さな魚屋の主の声として聞いていただきたいが(スーパーや大型鮮魚店はどうだか知らない)、まぐろや冷凍魚などは確かに1割近く値上がりしているが、近海物においては高くなった感覚は殆どないとのことだ。よく考えてみれば、産地と直接取引していないかぎり、魚の値段の決定権は漁師にあるのではない。市場を通して流通し、仲卸から小売店が仕入れ、小売価格として消費者の手元に届く。いくら燃料費が高騰したからと、そのまま売値に反映させても、売れないんじゃしょうがない。魚の消費が落ち込んでいる状況では、値段は今のところ据え置きというわけだ。つまり、そのマイナスの部分は漁業従業者がかぶっていることになる。

だから、店主は一斉休漁は賛成だと言う。「でも一日ぐらいじゃぁ、市場には留め物もあるし、大して影響はでないんじゃないかな?やるなら数日しないと、価格が上がるとは思えない」

16日にはニュースやワイドショーが取り上げるかな?あんまり煽られるのは困るけど、少しは消費者の関心が魚に向くのなら歓迎である。

でも、みんなの好きな魚って決まってくるからなぁ。いま美味しいあじとか、いさきとか、いわしじゃなくって大型の魚ばかり。まぐろ、鮭、銀ムツギンダラ...。

Cimg2037

このキンメダイも人気のある魚のひとつ。旬は冬だと思っていたが、丁度今頃も伊豆や千葉でよく揚がるそうで、先週は特に河岸にもたくさんあって安かったそうだ。脂が乗っていて、骨離れがよく、粕漬け、味噌汁、酒蒸しなどにしてもいいし、新鮮なものは刺身やしゃぶしゃぶにも出来るが、切身で買った時は、あすすめはやっぱり煮付け。お醤油、酒、好みでみりんを好みの配分でまぜ、一煮立ちさせたらキンメと薄切りのしょうがを入れ、10分ほど煮て出来上がり。魚からいいだしが出るのだから、出し汁なんて使う必要なし。こつといえば、切身に煮汁がくまなく行き渡るように落し蓋をすること。といってもウチも実際に蓋を落とすわけではなく、キッチンペーパーを上にかぶせ、その上から煮汁を掛けまわすようにして煮ている。

| Comments (0)

June 14, 2008

日本海の本まぐろ

テレビなどでも何度も話題に取り上げられているらしいが、日本海の巻き網の本マグロが結構揚がっているらしい。当店にも入ってきた。20kg前後の大メジ。

Oroshi

二枚に下ろしたところ。

Sammai

今日は店主の気まぐれで、まぐろづくしのにぎり寿司を販売。あっというまに完売でした。

Sashimi

| Comments (0)

June 01, 2008

魚寅の袢纏

Cimg1956

Cimg1957

注文していた魚寅の袢纏が届いた。
背紋は江戸文字で入れてもよかったのだが、あえてちょっと変わったデザインでお願いした。
その代わりに襟はオーソドックスに。
本藍染の独特の香りがします。

早速着たいところだけど、何度か色落とししないと。これが大変。手も藍色に染まる。
今は黒に近い藍だけど、何度も洗っているうちになんとも美しい色合いになる。

| Comments (0)

May 27, 2008

スルメの中から

室戸岬のスルメイカが入荷。まだハシリだ。
店主がイカの胴から足をはずそうとしたら、中から魚が出てきた。
これがその写真。

Surume

イカと写っている魚たち、これぜ~んぶイカの中から出てきたもの。
びっくりです。

| Comments (0)

April 28, 2008

ゴールデンウィークのお知らせ

4月28日(月曜)から5月2日(金曜)までは通常どおり営業いたします。

そして、5月3日(土曜)の12時より13時までの1時間、ぶんぶんカードのポイントを10倍進呈致します!
500円買えば5千円分。千円買えば1万円分のポイントがたまる大チャンスをお見逃しなく。
土曜限定の魚寅ばらちらしも販売しますよ。

3日は祝日のため19時まで営業。そして、5月4日(日曜)から6日(火曜)までは休業いたしますのでどうぞ宜しくお願い致します。

下の写真は店主作の深川丼。
Cimg1897

店主曰く、今年はアサリ、長いです。まだまだぷっくりとした身が楽しめますよ。
はまぐりの剥き身と比べても、ほら、ね。

Rimg0068

| Comments (0)

April 12, 2008

スタッフからの伝言

店主は、お客様の名前を大抵一度で覚えてしまう。
では、記憶力がいいかといえば、スタッフから再三言われていた在庫切れの商品を仕入れ忘れて、怒られることはしょっちゅう。

そして、今朝のこと。店主のまな板の上に張ってあったメモ。スタッフのNさんからだ。

Cimg1888

ガチャガチャ...???

このことでした。

Cimg1889

つまり、翻訳すると、ラベラーのシールが無くなったので補充してください、ということだ。
写真の下に写っているのは、当店のベストセラーの塩辛。
当店の手作りではないが、ゲソが入っていない、マイルドな味に固定ファン多数。
これは絶対欠品にできないアイテムの一つである。

| Comments (0)

March 22, 2008

土曜の売場

私が店を手伝うのは、主に土曜。翌日が休日ということもあって、仕入れも控えめ。
そのうち、平日の売り物を店主に撮ってもらおうと考えているのだが、ちょっと企画があって、しばらく先になる。
で、今日は、当店の土曜の売場をご紹介。

まずは、売場全体。通路に一番近いケースには焼魚・煮魚が並ぶ。写真奥は、塩干・珍味、右のケースに刺身、切身類が並んでいる。
Cimg1780

Cimg1781
↑焼魚・煮魚コーナー

Cimg1787

Cimg1788
↑上の二枚は塩干・珍味コーナー。しらすやタラコ、塩鮭やうなぎのほか、豆腐、生利、豆、佃煮などが並ぶ。豆なんかも売ってるの?と言われそうだが、不思議と売れ筋なのだ。

Cimg1790
↑刺身類。春だから貝がオイシイ。

Cimg1791

Cimg1798

刺身の後は切身、貝類と続く。今日のオススメは新鮮なメカジキ。照焼、塩焼き、煮ても美味しいし、一口大に切って、ニンニク・バター・醤油少々と耐熱皿に並べ、レンジでチンしてもいい。

| Comments (0)

March 03, 2008

3月3日①散らし寿司

今日のひな祭りイベントに合わせて、当店では散らし寿司の販売。
毎週土曜に、数量限定で、刺身ネタが中心のばらちらしを売っているのだが、今日は五目寿司飯に、煮ハマグり、錦糸卵、絹さや、イクラ、海老おぼろ、エビ、鯛昆布〆、紅しょうがを散らした、春をイメージした散らし寿司にしてみた。

今日は早めに入店して、絹さやと五目寿司の仕込み。寿司飯の具は、お揚げを甘く煮付けたもの、カンピョウ、しいたけ。前日に全て細かく刻んであるので、炊きたてのご飯に寿司酢と具を手早く混ぜ込む。

錦糸卵は、築地の玉子焼屋さんから仕入れた、クレープ状になっている玉子焼を細切りに。絹さやは千切り、鯛の昆布締めは一口大にそぎ切り。エビはゆでて甘酢に漬けたものを、半分に開く。

出来上がり図。

Cimg1753

| Comments (2)

February 16, 2008

バレンタインデー

バレンタインデーには、お客様、真砂市場の中の人々、身内から店主にチョコレートをいただいた。
見かけで店主は酒飲みと勘違いしている方が少なからずいるが、実はお酒はあまり強くない。バリバリの甘党である。
なので、戴いた品々を夕食後のコーヒータイムに楽しみに少しずつ戴いている状態。
チョコを下さった皆様、どうもありがとうございます。ホワイトデーは楽しみにしていて下さい。

私はというと、丁度ベルギー在住の友人が送ってくれたノイハウスのチョコ達をすこしシェア(あげないところがミソ)、そして出来合いのスポンジを使ってのショートケーキ!絞り袋もへらも使わず、スプーンで生クリームを塗りつけただけの超不細工ケーキだが、タカナシの純生クリームにラム酒と三温糖を入れたものに、いちごを中に上にたっぷり飾った、食べてみればナカナカのケーキであった。
Cimg1746


| Comments (0)

January 01, 2008

新年明けましておめでとうございます

今年も旧年同様お引き立ての程、どうぞよろしくお願い致します。
新年は初荷の5日より9時から営業いたします。

下の写真は昨年お渡ししたおせち、
それからHana Tominagaさんのお正月用アレンジメント。
Cimg1674

Cimg1677


| Comments (0)

December 31, 2007

年末注文戦記③

大晦日当日。4時起床と息巻いていたが、私が知る限り目覚まし時計のベルは鳴らず、起きた時には6時過ぎ。
店主はあわてて自宅を出る。

八時には入店。午前中の引渡し分から、刺身とカニの数を確認し店主に伝達。お皿持込やネタ指定の特別注文もある。

難しいのは、承りの時間よりかなり早くいらっしゃるお客様が結構いること。何には電話で確認してから見える方もいるが、大抵は買い物のついでにもう受け取りたいという方。今回も続出し、奥の冷蔵庫に刺身を保管する間はほとんどなく、時には店頭でお待ちいただく場面もあった。伝説の師匠がいないハンデはかなりあったものの、今年は昨年のように数が足りなくなるハプニングはなく、なんとか受け渡しを終了。

品物を受け取ってお帰りになるお客様をお見送り。今夜、また明日当店の商品が食卓に並ぶのだろう。
魚屋稼業は、とりわけ年末はその準備の大変さを考えるとはっきりいって儲からない。
だけど、こうしたお客様の笑顔を見ると疲れも吹き飛ぶというものだ。

皆様、どうぞよいお年を。

| Comments (0)

December 30, 2007

年末注文戦記②

受け渡し前日の今日はやることてんこもり。まずは鯛の塩焼き。串の刺し方で出来の良し悪しが左右される。

Cimg1671_2
上の写真は、おたまで焼く面を調節しているところ。

焼いた直後は脂や水分が出るので、串を刺したままパッドなどにかけて冷ます。ほぼ荒熱が取れたら鯛かごに盛り、涼しい(寒い)ところで保存。

おせちの盛り付け。二重重ねにまとめ、奥の冷蔵庫に入れていく。

練り物やまぐろ、たこの最終確認。注文数と突合せ、渡し違いがないようにお客様ごとにまとめておく。

店主は明日のかにと刺身の準備。例年、元上司であり北海道出身、サケとカニを捌かせたらこの人の右に出る人はいないだろうという名人がお手伝いにきてくださったのだが、本業がとても忙しいとのこと、今年は創業以来はじめて店主一人で包丁をふるう。さてどうなることやら。

| Comments (0)

December 29, 2007

年末注文戦記①

いよいよ年末カウントダウン。明日のおせち盛り付けに備えて料理の準備。からすみ、数の子は既に出来上がっている。

Cimg1669_2
さわらと銀だらの西京漬を焼く。焦げやすいので、中火でじっくりとまず上火でいい色が付くまで焼く。その後下火に変えるが、焼きすぎないよう上火の8割方で火から下ろす。パッドの上で充分荒熱をとり、その後容器にならべていく。

えびはざらめを多めにいれた煮汁で炊き、煮汁ごと保管容器にいれて冷ます。

その他の料理も明日の盛り付けに備えて、透明な容器に人数分盛り付けていく。

お客様から注文のあった天然鯛が届いた。ご自分で松皮造りにされるとのことなので三枚におろし、皮つきのままさくにとる。さらに鯛の子の塩辛作り。真子をほぐして内子をとり、ふり塩をして数時間後に湯掻いた肝を充分に冷めてから合わせ、塩と酒で調味する。容器にいれて金箔を飾る。お渡しは大晦日なので、ちょうど食べごろとなるだろう。
Cimg1667_2


| Comments (0)

December 24, 2007

容器がない!

問題発生。おせちの大サイズで使用する、横長の容器が手に入らなくなってしまったのだ。

あわてて知る限りの包装業者に連絡するが、同じ容器はどこも品切れ、再入荷の目処がたっていないとのこと。ただ一社だけ、メーカーにプッシュしてくれると約束したので、わずかな望みをかけて今日まで待ってみたが、最終回答はやはり手配できず。大急ぎで正方形のお重を注文。これに二重重ねで用意することに。

いままでの容器は中が6仕切りになっていて、さらに透明容器で2分するので、合計12区分の中に料理を盛り分けるのだが、新しい容器ではそれが8仕切り、16区分となる。2区分は料理を追加することにし、のこりの2区分はまとめて焼き菓子を入れることにした。

お取引いただいているワークショップやまどりさんは、ベーカリーカフェを併設していて、焼きたてのパンやお菓子を店頭販売している。マドレーヌを二種類作ってもらうことに。

容量は多くなって、値段は据え置きでも、一応店頭の見本をご覧になったお客様にはお知らせしなければならない。留守電の一部の方を除いてほぼ全員に連絡、快くご了承をいただいた。

| Comments (0)

December 15, 2007

師走の週末

12月も半ば。お歳暮のシーズンもそろそろ終りとあって、駆けつけの配送注文が連日入る。
特に今日はピークで、配送件数は12件。朝から発送準備。終了したら、いつものヤマト運輸のお兄さんの携帯電話に連絡。一時間くらいしてお兄さんがやってきた。まだこれから140件ぐらい配達があるんだって。大変!
宅配サービスはどんどん細やかになってきて、朝イチから夜は9時ぐらいまで配達してくれるが、こうしたサービス向上のしわ寄せがお兄さん達に来ると思うと気の毒。

ギフト注文の一番人気は鮭。新巻鮭の注文も時折入るが、今はもっと甘塩の脂の乗った、たとえば銀鮭のようなものが好まれる。半身をさらに切身にして小分けに冷凍して送るので、受け取り先も手間入らずで好評のようだ。
その他は季節柄数の子や昆布、タラコなど、お正月向きの品物が好まれる。

何かと入用になる季節の前、買い控え心理が働くのか小売の売上げはやや落ち込むので、こうしたギフトの注文は本当にありがたい。

Cimg1666

今日ははたはたのケース買いの注文があった。飲食店ではなく一般のお客様である。こんなにたくさん、鍋にしても多すぎと思ったら、はたはたの飯寿司を作るのだそうだ。

| Comments (0)

December 08, 2007

からすみ 出来たよ

前に書いたからすみが出来ました。

Cimg1654

本当はガラスやパッドで重しをしつつ、もっと平らに形を整えるんだろうけど、なんせワイルドな店主のことだから(笑)、あんまり気にしないで作ってしまったようだ。何人かの方に味見してもらったが、初めてにしてはなかなか美味しく出来たみたい。

このからすみは特製おせち(大)に入りますので、注文された方はお楽しみに。

| Comments (0)

October 27, 2007

台風近づく/その後のからすみ

直撃はなかったものの、台風20号が関東接近。午後から本降り、風も強くなるという予測だったので、早めの売場作りのため開店時間前から手伝い。昼から横殴りの雨となり、来店されるお客様の足元もびしょびしょ。
お風邪を召さなければいいが...。

でも店主は台風は必要悪だと言う。夏になると上層の海水の温度は上昇し、温度の低い下層の二層に分かれる。上層ではプランクトンが発生し、その死骸は海底へと沈む。その死骸が分解され時に酸素が消費され、下層部の海水は低酸素化する。台風は海水を攪拌し、酸素を供給する。海の生態系を保つ大切な役割りを果たしているというのだ。

Cimg1650
さて、今週のからすみ。一日塩漬け、その後焼酎で一日塩ぬきしたからすみは、一夜干しを作るネットの中で店の裏で陰干しの日々である。写真は、雨なので冷蔵庫の中でじっとしているの図。

| Comments (0)

September 08, 2007

特売の失敗

店主が特売のチラシを新聞に折り込んだ。前回書いた記事のとと(魚)の日、何を勘違いしたか、今月だと思い込んだらしい。「あれっ?10月って来月かぁ!」もう新聞の営業所にチラシを持ち込んじゃったし、今さら遅い。

特売は今日と来週月曜の10日。今日は土曜恒例寿司の日に合わせて「北海ちらし」を1食500円で提供。マグロは入らないが、サーモン、自家製サンマの酢〆、ホッキガイ、ホタテガイ、カニ、イクラをたっぷり載せてみた。

店頭でも告知はしていたが、意外に折り込みチラシを見た方から予約の電話を沢山いただいた。また予約なしの直接ご来店も多く、100食分用意したのだが、お昼過ぎには夕方の予約も含めて完売になってしまった。嬉しい誤算とも言えるが、楽しみに直接来店されたお客様やその後お電話を下さったお客様には申し訳ない結果となった。特に夕方以降の受け渡し分を作りながら応対していると、「一食分だけなんとか作ってくれないの」と強く希望されるお客様もいたが、他のお客様もいらっしゃる手前きりがない。

終業後店主と反省。まず平日とは来店パターンも異なり、かつ予定外の売れ行きになっても追加仕入れも出来ない土曜の特売に、当日折込チラシをぶつけるのはやめた方がいいという結論に至った。来週月曜は全品ポイント倍セールで、前述のとおり10日をととの日と勘違いしての設定だったのだが、もし5倍セールを先に行えば、寿司の予約をクロスセルする手法も取れる。予定数もこれである程度は把握できる。またチラシには限定販売(品切れゴメン)であることや電話で予約できることを大きく表示すべきだったという意見も出た。

とにかくチラシを見てわざわざお越しいただいたのに、目玉商品がお昼の早いうちから完売ではお客様をだましているようなものである。来店促進どころか、今後店から足が遠のく原因になりかねない。反省点は次回の特売に必ず反映させようと思う。

Photo


| Comments (0)

September 01, 2007

魚の日(ととのひ)

とと(魚)の日ってご存知だろうか?10月10日のことで、全国水産物卸組合連合会(東京都中央区築地)が新たに定めた日のことだ。

昨日ポスターを築地で見かけた店主、初めてこの日のことを知った。なんでも、制定した昨年の当日は全国35市場で様々な魚のキャンペーンやイベントが行われたそうである。

翻って今年は予算不足か景気が悪いからか、どうやらイベントの予定は立っていないらしい。それにしても印象的なポスター、調べてみたらポスターの作者は十二代目市川団十郎さん。歌舞伎「助六」を演じる際、魚河岸関係者が紫の鉢巻きと、履物のげたを団十郎さんに寄贈したりなど交流があり実現したようだ。息子海老蔵さんもそうだけど、強い眼差しが印象的な団十郎さん。なんだかこのポスターの鯛の目に共通するところがありますね。作品を仕上げた後は、団十郎さん、マイ包丁で鯛を自らさばき召し上がったそうである。


10101


ポスターは仲買さんが取り寄せてくれたので、早速店頭に貼った。当店も目下イベント考え中である。

| Comments (0)

August 29, 2007

強火の遠火

サンマの季節になると、いつもより多く聞かれるようになる質問。
「家で美味しく焼魚を作るにはどうしたらいい?」または、「オタクみたいに美味しく焼くコツ教えて?」

ずばり、強火の遠火である。つまり、中の美味しさを閉じ込めるために表面を焼くには強火。さらに火が近すぎると表面だけ焦げてしまうので、遠火の放射熱を利用して中までじっくり火を通すのである。

なので、実際に色々試してみたが、レンジ・トースター・フライパンでの焼魚は、出来なくは無いけれど仕上がりはイマイチ。七輪やオーブンがあれば別だろうけど、一番手軽で美味しいのはやはりガスレンジについている魚グリルで焼くことだ。

本当は下火があるほうが美味しくできる気がするが、我が家の魚グリルは上火だけである。サンマを例にとってみると、まず表身に飾り包丁を斜めに1~2本入れる。塩を振るタイミングは、焼き前の30分位前がベスト。青魚は水分が多いので、塩を振れば身が締まる。といっても、水分はうまみを含んでいるので、あまり早く塩を当てると焼きあがりがぱさぱさになりがちだ。

あと、サンマの場合身が長いので、魚グリルに一尾丸ごと入らないことが多い。その場合2つに切るしかないが、やり方は2通りあって、まず頭と尾を落としてしまう方法。ワタを食べない方は意外に多いので、頭を落としたら、その切り口からワタがはみ出してくるので、包丁の刃で一部を押さえ、魚の身を左に引っ張れば簡単に引き出せる(すっと引き出せた場合は新鮮な証拠)。
いや、頭が無いなんて様子が良くないし、ワタも食べたいという方は、身を左上から右下に斜めに切ればよい。右下は肛門を目印にすれば、ワタを傷つけずに二つの切身にすることが出来る。

まずは強火で焼き、皮にうっすら焦げ目がついたら裏返す。裏も焦げ目がついたら、もう一度裏返し、火を中火に弱める。飾り包丁の切れ目から見える肉が白く、中から透明な脂が泡のように出てきたら出来上がり。

Cimg1514

写真は店のグリルで焼きあがったばかりのサケ。

| Comments (0)

August 24, 2007

タチウオの皮

サンマが本格的に入荷してきているが、店頭に生魚のまま置いても殆どのお客様は焼いた方をお持ちになるとか。

ああ、残念。味噌漬・西京漬や照焼などはまだしも、塩焼きはやっぱり焼きたてに限る。焼くそばから売れていっても、ご自宅でご飯の支度が終わったころには当然冷めている。
やっぱり魚グリルで焼きたての、脂で皮がプツプツ音を立てているようなものにおろしとすだちを添えたものが一番だと思うのだけど、サンマのように長い魚を丸ごと焼くのは難しいし、煙も匂いもでるから、ということなのだろう。

結局丸のまま置いていたサンマはすべて焼魚にして完売。その脇で売っていた有田産のタチウオは残念ながら残ってしまった。どうも骨が太くて食べにくいというイメージがあるようだが、ウチのは骨を抜いてあるので、騙されたと思って一度切身をおうちで焼いてみてください。本当に美味しいから。

今日の夕食はその残ったタチウオの塩焼きとウナギの蒲焼。そこへ我が家のチビギャングがテーブルにやってきた。なぜかアジやタチウオなど、皮が光っている魚が食卓に並ぶと、スキを狙って皮を略奪しようとするのだ。

Cimg1509
小鳥の食事としては当然不向きなので食べさせないようにしているが、それでもこのようにちょっとしたスキに近寄り、皮を一つまみするとダッシュで飛び立つ。そしてカゴやレンジの上などの安全地帯でつついて遊ぶのである。


| Comments (2)

August 18, 2007

休み明け

三連休も終わり。入店し、冷蔵ケースの電源をつける。電話では留守番メッセージの録音を告げるランプが点灯。急いで再生。全部で7件入っていたがどれも無言のまま切電。誰からだったのだろう。ファクシミリの受信もないので、一般のお客様からか。
そんなことを考えながら売場の支度をしていると電話が鳴った。出ようとする前に留守番電話に切り替わってしまった。気にせず受話器を取り上げてもよかったのだが、ふと手を止めた。録音モードに切り替わる前にがしゃんと切れてしまった。

しばらくしてまた電話が鳴った。ちょうど店頭で荷物を持ち上げている時なのでこれも留守番電話に任せる。荷物を持ったまま店内に入ると、メッセージが流れている最中なのに「○○です。ちらしずし届けて下さい。電話は、」といったところで何と途中で切れてしまった。

幸いにもお客様は存知あげている方だし、ご住所も分かるが、電話番号はお訊きしたことがない。さぁ、困った。おそらく返答をお待ちだろうが、こちらからは電話することが出来ない。
そのうちまた電話して下さることを期待して、また開店作業にとりかかった。売場をある程度作ったところで、今日はお昼前に近隣のお客様へちらし寿司のお届けがある。
前日までに比べかなり過ごしやすい気温ということもあってか、お昼前には少しずつお客様も来店。その後連絡がないので、ピーク前にスタッフのNさんに○○さん宅にちらし寿司を届けてもらうことにした。以前も配達依頼があったので、その時と同じ個数を念のため用意した。
お店に戻ったNさんによると、○○さんは配達をとても喜んで下さったとのこと。やはりこちらからの連絡がないので諦めていたそうだ。転倒し思うように歩けないとのことで、又何かあれば配達するから、と電話番号を今後のためにお伺いしてきてくれた。

いつもの土曜よりはおとなしめ、雨が降りそうということで夕方の来客ピークも早め。5時半に一足先に店を上がった。
まだ明るいし、外を歩いていてもそれほど辛くない。白山通りを歩いていると、文京区のコミュニティバス「Bーぐる」が通りかかったので乗ってみることにした。料金は100円。白山から千駄木を通り、団子坂を中腹まで上ると動坂方面へ。本郷通りを駒込まで北上し、千石から白山通りに戻るコース。
となっているだが、乗車してみると車内は予想以上に狭く、シートも少ない。高齢者の方も多いから座るわけにもいかないし、立っていてもギューギューの状態。遠回りしてゆっくり車窓から町見学なんて雰囲気じゃぁない。

白山下で早くも下車。そのまま千石1丁目交差点まで歩く。みずほ銀行の並びに、「カフェコパン」がある。ここは播磨坂近くの「Copain」の姉妹店。Copainは他にもイタリアンとカフェを区内に数箇所出店しているが、ここは比較的新しい。一休みして自宅までもうひと歩きした。

お店では立ちっぱなしだし、よく歩いたのもあって足の裏がダルイ。こんな時は的場電機製作所の「プチローラー」。某通販雑誌から購入したツボマッサージ器で、幅21cmというミニサイズにも関わらずマッサージは痛いくらいの強さで、足がすっかり軽くなる。

| Comments (2)

August 07, 2007

ドキュメント・ナウ

6日の深夜、TBSの番組「ドキュメント・ナウ」に店主が出演した。

7月下旬、番組のディレクターさんから店に連絡。この記事をご覧になり、丑の日を迎える魚屋として取材の依頼をお受けしたというわけだ。

放送は深夜だし、ウチのお客さんはまず見ることがないだろう。それに、制作側がどのような意図で、店主がどんな「絵」になるか予想もつかない。まぁ、没になることはないにしろ、心外な取り上げられ方をする可能性もあるので、ごくごく身内の一部にしか放送のことは事前に伝えていなかった。

番組の内容自体は、「狙い」のようなものは感じられず、淡々と事実を取材していく感じであった。店主はさしずめ、脱サラして細々と魚屋を営んでいるが、高齢者中心の顧客に焼魚や惣菜を売っている、ホントは丸魚や切身をドンと店頭に置きたいけど、売れないんだからしょうがない、というような描き方でなかなか実像に近い(苦笑)。ちなみに、お陰様で丑の日は目標達成、天気はイマイチだったけど完売でした。

Cimg1478
築地の仲買さん達も撮影に協力してくれた。写真はいつもお世話になっている滝治の社長と店主。社長は実物はもっともっといい男です(笑)。

| Comments (0)

July 15, 2007

うなぎの憂鬱

台風4号が関東地方を暴風域に巻き込みながら北上。折角の三連休だが、レジャー予定の変更を余儀なくされた方もいるのではないだろうか。ウチはたまたま納めの注文もなく、久しぶりに家でゆっくり。

シケの連続、連休明けは魚も少ないだろう。自然現象だから仕方あるまい。それとは別にマスコミの影響で「売れなくて困る」ことがある。前回の冬だとノロウィルス騒ぎのカキ。そして、今はウナギである。

今年の土用の丑の日は7月30日だ。鰻屋さんは勿論のこと、魚屋だって気温が高くなり売上げが減少しがちな季節においては書き入れ時である。しかし今年はご存知のとおり中国産の輸出停止騒ぎなどで、うな重の予約を取りやめるコンビニも現れ、冷ややかなムードが続いている。

去年ぐらいまでだと、中国産を敬遠する理由は「不味いから」というのが圧倒的だった。泥臭い、皮が厚いなど、確かに昔の中国ウナギの質はイマイチだったが、現在は大手メーカーの商品は味も質も国産に全く引けをとらないものもある。しかし安全性が疑われるとなると話は別である。当店でもレギュラー商品として置いていた中国産ウナギが全く売れなくなり、止む無く販売を中止した。丑の日当日は、国産の蒲焼を使ってうな重を販売する。

ところで、原産国表示についてクイズです。次の場合は原産国はどんな表示になるでしょう?
①中国で作った蒲焼を日本の会社が輸入し、販売
②中国で作った蒲焼を日本の会社が加熱加工し、販売
③中国で作った蒲焼を使って日本でうな重を調理し、販売

①は原産国は中国と表示する必要がある。②は国産となる。「農林物資の規格化及び品質表示の適格化に関する法律」(JAS法)では、加熱調理を加えることは「商品の内容について実質的な変更をもたらす行為」とみなされ、その行為が行われた国が原産国となる。国産の商品は本来原産国表示は不要だが、ウナギ蒲焼については、うなぎ加工品品質表示基準に基づき、国内製造品に原材料であるウナギの原産地表示が必要で「国産」となる。でも国産って何かヘンじゃない?
③にいたっては原産国表示は不要。なのでチマタで販売されているうなぎ弁当の場合、国産鰻使用とうたっていないものは中国産、あるいは台湾産と考えていいだろう。意外とこの辺にはそれほど神経質になっていない消費者は多いのではないだろうか? 例えば、野菜を個々に購入する場合は国産にこだわっても、デパチカでサラダを買うときにはチェックしない。上記同様に、ドレッシングをかけた野菜は原産国表示の義務はないのである。

さて、既にシーズンを見込んで輸入した中国産は値崩れを起こすのではと心配になるが、そうでもないらしい。おりしもEU(欧州連合)は、絶滅の恐れがあるとしてヨーロッパウナギの稚魚の漁獲量を2013年までに6割削減する規制を決定。日本国内の総供給量の6割を占める中国産の3割程度がヨーロッパウナギとされている。さらに年々国内のウナギ稚魚の漁獲は激減し、台湾からの輸入に頼っているが、この台湾でも資源保護を理由に対日輸出の禁止や規制を検討しているという。
となると来年の丑の日は在庫確保が大変厳しい状況になるのは明らか。今年売れなくてもそのうちほとぼりが醒めるだろうから、とりあえず来年に備えておけばという業界の思惑があるのかもしれない。

| Comments (2)

June 17, 2007

店の看板

店を始めたのが、平成11年の11月。創業8周年を前に、店の看板を作ることに。

一応店頭には電飾看板はあるので、店名は表示されてはいるのだが、もっと店の顔になるような看板を、ということで、店主の希望でお客様の一人でもいらっしゃる、近くにお住まいの書道家にお願いした。

ある日、何枚もの作品を抱えてご来店。どれも素晴らしい作品だが、じっと作品群を見た店主は「これ」と、一枚の書を指した。「うん、私もこれが一番いいかなと思うの」と先生も同意される。一番初めに書かれたものだそうだ。

Cimg1364
そして、近隣の工芸家に表装をお願いした。50年以上のベテラン表具師だ。長年の経験から成る職人技である表装を施され、額に仕上げられた書は、いきいきと躍動感に溢れている。

この看板に負けないよう、元気でイキのいい魚屋として、あらたな気持ちで頑張ろう。

| Comments (0)

June 02, 2007

②当店のマカナイ

この日の私のランチは輝さんの蕎麦。では、当店の残りのスタッフのお昼とはいうと...?

Cimg1359
じゃーん。いつもこんな感じ。土曜は寿司を販売するから、ベースのごはんは酢飯。今日は、同じ市場の中の小照さんのてんぷらに、刺身の切り落とし。なんせ肉体労働なんで、ごはんも男女問わず大盛りサイズ。大体これで300gは切らないはず。

ダイエットを気にする女性がよく小さめの丼物をコンビニなどで買ってるけど、あれ、意外とごはん入ってるんです。ミニ丼で250gは入っている。へたすると300g越すかも。かるくお茶碗一杯が160g位だから、いかにごはんが多いかわかるでしょう。要注意。

| Comments (0)

April 21, 2007

春は貝/つばめの帰郷

前回新しい炊飯器で玄米を炊いた話を書いたが、やはりあの時は水が足りなかったことが判明。水加減を変えたところ格段に炊きあがりがふっくら。さらに黒米とともに、半日ほど水に漬けておいた後に炊いてみると大成功。ぷちぷちとした食感、さらに噛めば噛むほど甘さが広がり、白米とは全く違った美味しさである。白くないごはんが食卓に並ぶと、一瞬困ったような顔をする銀シャリ派の店主が黙ってお代わりをよそいに台所に入っていくほど。

さて、春はなんたって貝が美味しい。貝好きな人にはたまらない季節だ。
アサリはもちろん、バカ貝(青柳)、赤貝、そしてトリ貝。今日は、肉厚の上質なトリ貝が入荷。「貝づくし」と銘打った刺身盛り合わせとにぎり寿司に入れたら、またたく間に完売。今日は午後から入店したので、お昼のマカナイは私の分はなし。聞けば大振りのトリ貝一枚を握った寿司付きだったとか。ああ~。

トリ貝はなんたって歯ごたえと独特の甘味が身上。冷凍物が一年中出回っているが、それを食べて(うーんいまいち)と思っている方は、旬の今、ぜひ味わっていただきたい。

魚でいうと鰆からはじまり鯛、そしてそろそろマナガツオが美味しい。銀色の、頭の小さな、ユーモラスな形をした魚だ。「西海に鮭な く、東海に真魚鰹なし」という言葉があるように、生息地の北限は紀伊半島といわれ、主に関西地方で高級魚とされている。関東では確かにあまり馴染みがないようだが、独特の風味を持ち、味噌漬けにして焼くととても美味しい。当店でもこれからの季節はいいマナガツオが入ったら西京漬にして販売するので、ぜひお試しいただきたい。

Cimg1311
真砂市場が入居する文京区民センターの一階入口。通称ピロティと呼ばれる広場の壁に、今年もつばめが巣を作った。今のところ、二羽とも日中は外で過ごし、日が落ちると巣に戻ってくる。そのうち産卵、ヒナの誕生となるだろう。

| Comments (0)

April 07, 2007

①有田の太刀魚

河岸から戻った店主。土曜は次の日が休みなので、生魚はあまり入荷しないのだが、発泡を見るとピカピカの細長い魚が。

太刀魚だ。和歌山県有田産である。

太刀魚は主に本州中部から西にかけて揚がることが多いが、その中でも有田は日本一の水揚げを誇る。大きさ、鮮度からしても有田産が一番と店主。端っこの形の悪い切身をお取り置き。今日の夕飯のメインディッシュだ。

何たって塩焼きが一番好みである。本当に大きい、脂ののった切身だと、さっと塩をして、ちょっとレモンをかけて熱々のうちに。表面のキラキラとした皮に箸を入れると、湯気とともにつやつやした白身が姿をのぞかせる。口に運ぶと、やわらかな身がほろほろとほぐれ、まるでバターでソテーしたようなコクのある風味が広がる。

太刀魚はお隣韓国でもよく食べるそうで、カルチジョリムという見た目真っ赤でいかにも辛そうな煮付料理がある。これがまた美味しい。もどきをたまに作るが、コチュジャン、おろしニンニク、しょうが、酒、すりごまを適当に投入し、コトコトと煮るだけ。大根を入れるのが一般的のようだが、早く食べたい私は省略。代わりに万能ねぎを半分か1/3に切ったものを、煮立ったらこれでもかという位に加えている。

しかし、太刀魚の旬っていつだったけな~。ということで、②に続きます。

| Comments (0)

March 31, 2007

桜満開/ホタルの季節

今週初めの陽気からぐんぐん進んだ桜の開花。週半ばで7分咲きとなり、とうとう今週末満開を迎えた。

Cimg1275
写真は地元の花見スポット、清和公園の今日の様子。昔から花見と祭りが大大好きな私。仕事の合間や帰りに近くで花見三昧。こちらでご覧下さい。

Cimg1272
さて花より団子という方には、今のおすすめはホタルイカである。富山内湾物が連日入荷しているが、かなり太ってきた。生のホタルルイカも通にはたまらないだろうけど、寄生虫に注意しなくてはならない。個人的にはホタルの肝の味はゆでた方が美味しいと思っているけど、産地の方はどうしているんでしょうかね。

スーパーの鮮魚部にいた頃、店主はホタルイカがホタルイカと呼ばれる所以をお客様にどうしても見せてあげたくなり、富山の漁協に直接問い合わせて、大きなダンボールに生きたままのホタルイカを取り寄せたことがある。店頭のど真ん中にそのダンボールを置き、横にのぞき窓を開けて水中で光るホタルイカを楽しんでもらったそうだ。ただ、ホタルイカはとてもデリケートな生き物なので、9割方は到着した日には死んでしまったとのこと。

彩りも考えて、菜の花を湯掻いたものと酢味噌和えにしても美味しいし、そのままわさび醤油で食べても勿論いける。また、ニンニクとアンチョビをオリーブオイルで炒めた中に放り込んで、そのまま、またはパスタにからめたものはなかなかなのでおすすめである。


さて、今週末は地元の町会の花見も予定されており、寿司やオードブル、刺身のご注文が入ってお陰様で大忙し。桜も今がピーク。新緑の季節もすぐそこである。

| Comments (0)

March 24, 2007

ちょっと宣伝です

Cimg1207
東京ケーブルネットワークの「あらぶんちょ通信」なるパンフレットで当店が紹介された。

っていうか、紙面の商店街応援企画なる特集で、真砂市場が加盟する文の郷(ふみのさと)商店街振興組合が紹介され、その一コーナーに掲載されたのだ。

載せて下さったのに突っ込んで悪いけど、「その日一番の鮮魚を、その場で火入れする焼魚」というのはいささかオーバーかなぁ。売っている焼魚が全てそうではありません。なんか鮮魚って、新しければ新しいほどいいと思われがちだけど、たとえば天然のブリなんてあえて一日寝かせて熟成させた旨味というのもあったりするのだ。イワシやサバなどの青魚は新しい方がいいだろうけど。あと、結構人気があるのが西京焼。白味噌と酒粕をミックスして作る当店特製味噌床に数日漬けこんでから焼いている。冷めたままでも美味しい。

ともあれ、こうやって取りあげていただくのは有難い限り。遠方にお住まいの方も、東京ドームの帰りにでもぜひ当市場を覗いてみて下さい。大正時代からの古い商店街、都会の真ん中にこんなレトロな所があったのか?と驚かれることだろう。

| Comments (0)

March 17, 2007

お客様の名前

店主にはちょっとした特技がある。それは、かなりの確率で一発でヒトの名前を覚えるということだ。

一方私は昔からヒトの名前と顔を一致させるのが苦手。加えて、言い訳になるが、お店に立つのは週に一度(あるいは仕事が早く終わった日の夜)なので、お馴染みのお客様でもお名前を存知あげない方が結構いらっしゃる。

店主は何かとお客様の名前を会話に交ぜる。「○○さんいらっしゃい」「△△さん、この間はごめんね、お目当てのものがなくて。今日は丁度入ってるよ」
お客様の反応はおおむね良好だ。「あら、私の名前覚えてくれたの、うれしいわ」と、まだ数回来店された方もそのままレギュラーカスタマーになって下さる場合も多い。
また店としても、お客様の名前が分かっているほうが仕事がしやすい。ご注文分についてスタッフから受け渡しの引き継ぎをする場合、店頭が込んでいる時特定のお客様に話しかける場合など。

といっても、店主やスタッフが全ての常連さんの名前を知っているわけではない。開店当初から通ってくださっているのに、お名前を存じ上げないお客様も中にはいる。今更お聞きするタイミングを逃してしまい、そんな方からご注文やお取り置きを受けると大変。
「その刺身はどなたの?」「う~ん、よく来てくださる、ホラ、70代ぐらいの女性で、小柄で、メガネかけてる方です」そんな方は沢山いるからわかんな~い。
こんな時は私の登場である。店頭の登場頻度が一番少ない私は失礼を承知でお名前が聞きやすいのだ。

一方、こうしたご時勢では勝手に名前を知られることに敏感な方も多い。ごくまれに、「何で私の名前を知っているの?」とけげんな顔で返されることもある。なので、当店ではご注文などでお客様がお名前を言ってくれる場合しかお名前は控えない。例えばお財布からカードの類が出てきて、そこに名前が書いてあっても、それを勝手に覚えることは問題なのだ。

本日もお顔はよく存じ上げているのだが、お名前が判らない女性が来店された。買い物を済ませてから、ご主人はお出かけですか、とおっしゃわれた。丁度外出中と答えると、この度子供と同居することになり、店の近くのマンションに移転したので今後ともよろしく、というご挨拶を戴いた。
お名前を聞いておかなくては、と思いながらついついお客様の杖に目がいくと、それを察されたのか「○○と申します」と仰った。お帰りになった後、お名前を控えるのを忘れてしまい、店主が戻ってきた時には記憶がおぼろげ。
「ふーん、どんな方だった?」「えーと、小柄で、70代ぐらいの優しそうな女性で、杖ついてる」「それじゃ判んないよ。まてよ...○○さんがこんどお子さんと同居するっていってたなぁ」「そうそう、その○○さんだ、思い出した!」一件落着。ただ吃驚したことにお年は90半ばだと言う。やはり女性は判らない。

ということで、こちらをご覧のお客様、今更お名前をお聞きする場合もあるかもしれませんがどうかお気を悪くされないで下さいね。

| Comments (0)

March 04, 2007

ひなまつり

花粉飛びまくり、シーズンまっさかりである。今年は例年より花粉の飛ぶ量が少ないといわれているが、花粉症が始まってしまえば苦しいことには変わりない。どうやら今がピークらしいが、鼻だけでなく目もすっかりやられ、パソコンの画面を見つめるのも辛い状態である。ブログも更新サボリまくりで、今日ようやく前々回の分より投稿した。

さて、昨日はひなまつり、かつ土曜恒例の寿司の日ということで、桃の節句にふさわしいひなまつりちらしを予約販売した。

いつものばらちらしはただの酢飯なのだけど、今回のひなまつりちらしは、さらに竹の子、おあげ、かんぴょうを炊いたものを細かく刻んだ五目寿司。その上に錦糸卵、鯛の昆布〆、ゆでたエビ、カニのほぐし身、いくらの醤油漬、えびのオボロをたっぷりとのせ、最後に菜の花を刻んだものを散らしてみた。

予約数の三倍強の売上げを見込んでいたのだが、当日午前中の予約電話だけですでに二倍、あとは直接来店のお求め分も予想以上に売れて、うれしい誤算となった。花粉症の薬のせいだけではないが、せっかくの売場を撮る為のデジカメを自宅に忘れてきてしまった。残念。

Cimg1189
店じまい後、残った五目寿司飯に、ネタ切れとなった鯛の代わりにサーモンとホタテをのせてみた。これが我が家のその日の夕食である。

| Comments (2)

February 17, 2007

行きつけの店

天気のせいだけではないけど、いつもよりずっとずっと落ち着いた土曜日。最近の土曜の売れ筋ははっきりしていて、1に刺身で2に刺身。3、4がなくて5が焼魚と寿司である。

つまりアジやイワシなどの丸魚はてんでだめ。切身も売れない。なんせ翌日は休業日だから、丸魚の仕入れは控え、刺身ネタを来客数を予想して揃えることになるが、こちらも売れなきゃアラ樽か我々の胃袋に突っ込むしかない。どうしても弱気な売場になってしまう。最近来客のピークも17時頃から16時前半にシフトしており、いわゆる夕ご飯の買い物アワーには閑散とした売場になってしまう。かといってロスは必要以上に出せないし、難しいところだ。

さて、毎日来店されるお客様のほか、毎週決まった曜日に見える方もいる。土曜に必ずいらっしゃるお客様の一人は、いつも買うものが決まっていて、まぐろの赤身と、焼いたサケである。いらっしゃらない時はわざわざ電話を下さるほどの徹底ぶり。なので、こちらもお目当てのものがなくならないようおとり置きをしておく。

お好みがハッキリしていて、必ずいらっしゃることが判っているお客様はこちらとしても対応しやすい。またごひいきにしていただいている以上、同じ商品が数点あれば、その中で一番いいものをとっておこう、という心理が働く。

ということで、魚屋に限らず、食べ物を扱う店と馴染みになるには、毎日でなくてもいいから定期的に、かつ初めはいつも決まったものを買うのがコツかもしれない。○○をいつも買うお客様というのは店側にとっても覚えやすいからである。

で、このお客様、他にも行きつけのお店が数軒あって、中でもある寿司屋とは長い付き合いらしく、寿司以外の料理、例えば西京焼きなどをお土産に貰って帰るほどらしい。
今日いらした時、「さて、おかずはこれでよし、あとは八百屋でゆでてもらった小松菜を...」なんてつぶやいているから、(ええっ、そこまでしてもらうほど行きつけの八百屋もあるんだ)と思ったら、その職場の近くの八百屋さん、葉物を茹でたものや、根菜を炊いたものを売っているんだそうである。ああびっくりした。
でも自家製漬物を出している八百屋さんは結構あるけど、葉物の半調理品というのは中々いいアイデアではないか。なべを出して水を張り、いい具合に茹で上げるという作業、カンタンなんだけど仕事帰りの身にはちょっと面倒臭く、かといって出来合いの惣菜は味が濃くって、と思っている方は少なからずいるはずである。ロス対策なのかもしれないが、お客様のニーズをうまくすくい上げた例だと思う。

| Comments (0)

February 03, 2007

節分・イワシ・恵方巻

本日2月3日は節分。今年は暖冬とはいえ、時折厳しい寒さの朝を迎える折、もう立春の時期なのかとも思うが、真砂市場の向かいの植え込みの沈丁花が花の蕾をつけているのを見つけた。これから寒さも緩んでくるのだろうか。

Cimg1140
さて、店頭では、まずイワシを焼いて並べた。魔よけのために、焼いたいわしの頭を柊(ひいらぎ)に刺して戸口に飾るという習わしにちなんで、イワシを入れたパックに柊の小枝を添えてみた。

普段は焼いてもあまり人気のないイワシ君。小骨の多い魚は総じて敬遠されがちなのだが、今日は大人気であった。

Cimg1138
土曜はすしの日だが、今日は普段のちらし寿司に加えて恵方巻を作ってみた。

Cimg1139
ちなみに、断面はこんな感じである。入れてみたのは、かんぴょう、海老おぼろ、いんげん、きゅうり、カニカマ、穴子、海老、魚白身入り焼カマ、寿司玉ってところだろうか。ご覧のとおり、寿司飯よりネタの量の方が多い。

今週初めから、恵方巻販売のお知らせを店頭に貼っていたのだが、それを一瞥したあるお客様。「なによ、恵方巻なんて。私、生まれてからずっと東京だけど、節分に恵方巻食べるなんてこと、したことも聞いたこともないわ。最近になって始めてることじゃない」そこで店主、「もともとは関西方面の習慣だったらしいです。海苔問屋さん達が、一年に一度くらい美味しい海苔を食べる習慣を広めようとして頑張ったんですよ」
そのお客様は「わかった、わかった」と苦笑していたらしいが、確かに海苔問屋が恵方巻の習慣を節分に定着させたのは事実。1970年代とかなり昔のことである。でも最近のブームの仕掛け人は、どうやらセブンイレブンらしい。全国展開で店頭に並べたのがきっかけで人気となり、同業者等が追従したようだ。

その年の恵方(今年は北北西)を向いてひとかぶり、というのが流儀らしいが、高齢者のお客様が多い当店のこと、「がぶっといってノドつまらせたら死んじゃうから」と、一口サイズに切るリクエストも続出した。切ったら縁起が悪い、なんてヤボなことは言いっこなし。お客様が好きなように食べればいいのだ。

| Comments (0)

January 27, 2007

魚屋の使い方

メディアの影響ってのはすごい。

丁度今週、神戸でマグロ類資源管理機関(RFMOs)の合同会合が行われていたが、その報道をみてなのか、まぐろを求めるお客様の多いこと。それもなぜかサクではなくブツである。いくら切っても切っても追いつかない状況が続いた。

それから、ノロウィルスの流行もピークを過ぎたとのニュースが流れてから、カキも順調に売れ始めた。引き続き生食は置いていないが、加熱用は売場で手にされる方が多くなってきている。

今日、私が昨年通っていた国際ビジネスに関する講座で、マーケティングの講義をされていた先生が来店された。店主と店について話したりしていたが、当店のホームベージやブログに関する話題になった。

当店のホームページ(HP)は、プロバイダが提供するテンプレートをまんま使っただけのごくシンプルな仕様で、当ブログともリンクさせてある。更新はほとんど行っておらず、いわば店舗紹介のパンフレットのような位置づけだ。イベントの紹介や普段の店の様子などを中心に取り上げ、HPを補う形で始めたのが当ブログなのだが、二足のわらじを履く身としてはなかなかこちらもマメに書けないのが悩み。

で、先生が言うには、比較的若い世代の人も「馴染みの魚屋」に対するニーズはあるはずだということである。好みのネタで刺身盛を用意してもらったり、その日のお薦めを取り置きしてもらったり、時にはいただきものや釣果を捌いてもらったりと使い勝手のいい魚屋があればいいんだけど、寿司屋なんかと同じで、馴染みになるためにはそれなりに通わなくちゃならないし、その前にどうやってそんな店を開拓すればいいかも分からない。そうしたニーズのヒントになるようなキーワードをHPやブログにちりばめてみては、とのことである。

なるほどね~。はっきり言って、アクセス解析もしてないし、増加対策なんてのもとんと興味が無かったのだが、消費者の目から見たブログ経営というのはそういうものかと、こうやって文字にしてみるとごく当たり前のような気がしてもなかなか意識できないことであった。

そういえば、時々夕方18時を過ぎたあたりで「散らし寿司作れますか」と電話で問い合わせが入ったりするが、あれはサイトを見たお客様なのかもれない。また、あまり見かけないお客様がきょろきょろ売場を見て、そのまま帰られる時もあったりする。お探しのものがあれば一言お声をかけて下されば、ひょっとしたらこれから売場に並べるかもしれないし、なければないで代替のおすすめが出来るのだが、普段通ってない方にはちょっと勇気のいることなのだろう。

さりとて、こちらもデパ地下の大型店ではないから、仕入れの量も品数も限られてしまう。急に「近海物だけで刺身盛を作ってくれ」と言われてもご要望にお答えできるわけではない。町の小さな魚屋をどう味方につけるかだけど、別に毎日通ってくださらなくてもいいのである。ただご要望になるべくお答えするために、お申し付けいただくタイミングややり方というのは確かに存在する。折を見て今後そんなことにも触れていけたらと思う。

| Comments (0)

January 05, 2007

初荷!

今日は初荷。築地に行ってきた店主によると相当な混雑で、場内に入るのも一苦労だったという。
そりゃ幸先がいいねぇ、と言ったら、いや一般客がすごいんだよとのこと。連休明けが仕事初めの方も多いのだろうか。寿司屋の前は長蛇の列だったそうで、仲卸売場の方はまぁまぁ落ち着いた様子だったそうだ。

で、いつも店主が朝メシをかっこむ東卸食堂の隣に、魚河岸水神社(すいじんじゃ)の遥拝所(ようはいしょ)がある。水神社とは、弥都波能売命(ミズハノメノミコト)を祭神しており、社殿は神田神社に建立されている。朝メシ後、お参りするかと中に入り、お賽銭箱を見ると、ビニール袋にぎゅうぎゅう詰めにされた百円玉が放り込まれていたという(取られないのかと心配したところ、賽銭箱の中だったそうだ)。

お参りを済ませて出ようとすると、奥のプレハブから、長靴の若い衆がお盆を持って出てきた。若い衆、といっても下手すると60-70代の方が、「どうぞ」と差し出したのはお屠蘇。それも、普通神社で振舞われるのはほんの一口、いやひとなめって感じだが、ここのは杯になみなみと注がれ、若い衆の手が震えていて溢れちゃっていたらしい。運転がなければ一杯戴いたところなのだが。

Cimg1045
仲卸からは初荷のぼりを戴く。早速店頭に取り付ける。

Cimg1047
また、河岸での年賀挨拶ではこのタオル交換が何故かお決まり。中は屋号入りの白タオルが多い。当店では調理ふきんになったり、ぞうきんになったり、店主やスタッフの頭に巻かれたりと大活躍。

Cimg1048
異色なのは、毎年佃權(つくごん)さんで戴く干支の絵入りのもの。タオルでも手ぬぐいでもなく、これ何なんだろう?当店では、戴くといつも店頭に飾っている。

どこまでもまっしぐら。猪突猛進をモットーに、今年一年頑張っていきたいものである。


| Comments (0)

January 02, 2007

焼鯛で鯛めし

魚屋は、年末は大忙し。で、時々聞かれるのが、「おせちとか、お正月のお料理、準備大丈夫?」

その答えは、「いや~、大晦日次第ですねぇ」。前日書いたように、おせちや焼鯛はそれぞれ予備として一食余計に作る。しくじりが無ければ、それらは我が家用になるし、なにかトラブルがあれば、元旦やってるスーパーに駆け込んで食材を買い込むはめになる。今年は無事におせちが食卓に並ぶこととなった。

Yakidai
そして、こちらは焼鯛。半身をそのまま食べた後、昨日の晩は鯛めしに変身。
身と骨・頭に分け、身は骨を丁寧にとって大きめにほぐす。骨と頭は熱湯をかけ、よけいな脂を流す。なべに水と日本酒を入れ、この骨・頭を入れて火に掛ける。沸騰したらしばらく煮立てて、汁を綺麗にこす。
お米をとぎ、日本酒と醤油少々、汁、水を入れて炊く。火を止める数分前にほぐし身を投入。火を止め、しばらく蒸らす。

Taimesi
こちらが出来上がり品。やっぱり土鍋で作るのが早いし正解。さくっとまぜ、好みで山椒をふる。煮汁の残ったものは塩味のお澄ましにした。

なお、焼鯛を食べる時はくれぐれも骨にご注意。太くて、刺さるとごはんを飲み込んだりしてもまったく抜けない。お正月の急患、「飲みすぎ」や「もちをのどに詰まらせた」同様、多いのが「鯛の骨が喉に刺さった」なんだそうである。取るのもとっても苦しいらしく、それから骨のある魚がダメになったという人が私の周りにも数人いる。
魚屋としては魚をキライにはなってほしくないので、鯛の骨だけは気をつけていただきたい。

| Comments (0)

January 01, 2007

新年あけましておめでとうございます

新年あけましてあめでとうございます。今年も変わらぬご愛顧の程、どうぞよろしくお願い申し上げます。

昨日の大晦日、商品の受け渡しはほぼ問題なく終了した。ほぼ、といってもやはり例年ミスやクレームは数件生じる。一番多いのは受け渡し忘れ。お渡しの際は、受け渡し票をお客様と指差し確認しながらするよう気をつけているのだが、なにぶん受け渡し時間は一日の間の数回に集中する。すなわち、お昼ちょっとすぎ(正月支度の合間、お昼ごはんの準備も兼ねて)、午後三時ごろ(ご実家などにこれから向かう方)、そして五時ごろである。
どこのお宅の冷蔵庫も恐らく満タン。とはいえ、最近は特別番組の開始時間も早いし、夕食時までには仕事をすべて片付けたいとお考えの方が多いのだろう。当店の狭い売場にどっと受け渡し票を持ったままお待ちになる方が溢れてくるとあせるあせる。いや、それでも落ち着いて間違いなく渡すことが先決なのだが、今回もお見送りした後お電話がかかってくる件があった。

さらにお刺身盛の大サイズが最後の最後で足らなくなるハプニングもあった。小サイズとの数は合っていたので、お渡し違いがあったのは明らか。店主は昼食もとらず、ようやく一息、という場面でこの酷な報告を受けることになり、さっと顔色が変わる。

そこへ、そのお刺身盛大サイズを取りにお客様が来店。お渡ししてから慌てて受け渡し簿を確認すると、あと一人見えるのに大サイズは在庫ゼロ。小サイズには入らないネタもある。「うわ~、どうしよう~」「あと一人って誰だよ」「○○さんだ」ご近所のお客様である。「とにかく、マグロを足すとか、ボタンエビを入れるとか、なんとかしないとな、ああそれにしても白身が全然ないよ」あわてて造っていると、タイミングよく○○さん。「ごめんなさい、今作ってるんです、それに実は...」と正直に申し上げる。「え~白身入らないのぉ、でもまぁいいよぉ、大丈夫大丈夫」と笑顔でおっしゃる。○○さんのお顔が女神に見えたのは私だけではないだろう。とにかくまだ準備中なので、出来上がり次第お届けすると申し上げると、後でまた取りに来るからといって帰られる。

と、スタッフのNさんが店に戻ってきた。彼女もご自宅用に刺身盛大サイズを頼んでくれていたことを思い出した。「Nちゃん、ごめん、実はね...」と事情を話すと、自分の受け取り分から一部を譲ってくれた。両方の皿にお詫びの一番いいマグロを追加し、ボタンエビをのっけて、Nちゃんには刺身じゃないけど好物のくじらベーコンをツマ代わりに盛って、ようやく出来上がり。ホッ。

こうやって、来店されたのに注文が通っていないケース、注文は通ってるけどモノが何故かないケースが一番心臓に悪いのだが、逆にお客様は来店済みなのに商品が残っているケースというのも蒼ざめるパターンである。

二年前、ようやく全部のお客様が見えた後、焼鯛が二尾残ってしまった。別に一尾予備を残し、高価な鯛は注文数ぴったり仕上げる(だから、焼いている間は失敗しないよう緊張の連続なのだ。)。なので、あきらかに一尾、どなたかお受け取りでないはずだ。それほど人数がいるわけではないので、かたっぱしから電話するが、答えはみなちゃんと受け取っているという。ただお一人だけどうしても連絡が付かない。ご近所なのでご自宅までいってみると室内は真っ暗、ご実家に帰られてしまったのだろう。

閉店時刻を過ぎても連絡はなく、仕方なく焼鯛は我が家の食卓に並ぶ結果となったが、正月三が日の間も連絡してみてもご自宅にはまだお帰りでない。四日目、ようやくご本人が電話に出られた。鯛の件を謝ろうとすると、「いや、美味しく戴きましたよ」とおっしゃる。結局、この件はわからずじまいであった。

昨日は無事終了したが、また初荷の五日から店を開けてからはしばらく緊張する。事後のクレーム、ご要望がある場合があるからだ。幸いにも今までクレームらしきものは受けていないが、○○を買ったけど美味しかった、アレはちょっと多すぎるなどというご要望は、今年の年末準備の上で非常に貴重なご意見となる。いや、本音をいえばしばらく年末の事は考えたくもないのだが。またあっというまに月日が経って、師走になっちゃうんだろうな、今年もきっと。

| Comments (0)

December 30, 2006

もう年末だ

あちゃー。年賀状の宛名書きもしてない、大掃除もしていない。しかし大晦日はついに明日となった。

しかし、今年は正月休暇モードに入るのが例年より早いと感じるのは私だけだろうか。実は昨日が勤務している会社の年内最終営業日だったのだが、すでに学校はもとより会社もお休みのところが多いと見えて、朝の地下鉄はガラガラ。帰りも店に直行するため、後楽園駅で下車したのだが、一大エンターテインメント施設を背後に抱える駅とは思えないほど閑散としていた。オフィス近辺のレストランも休みに入っているし、大通りを歩く人も少ない。

こんな中、ウチの店は一年で一番忙しい時を向かえ、いよいよ本日から準備である。魚河岸も今日でおわり。荷もいつもより早く届くので、店主は夜が明けないうちからすでに自宅を出ている。

私もそろそろ自宅を出なくてはならないが、その前に今年の日記も今日で最後になりそう(明日店じまいをするころには紅白は終わっているだろう)なので、ざっと一年を振り返る。

店としては、まず新しいスタッフ、Nさんをお迎えしたこと。ようやく半年くらいなのだが、もっと前から店にいるような気がするほどすっかりお店の顔である。明るい笑い声が売場のムードを和らげ、お客様の評判も高い。

また高齢のお客様が車椅子でもゆっくり売場をご覧いただけるよう、配置換えをした。だましだまし使っていた扉付の冷蔵ケースを処分し、二段式のケースを導入した。

高齢といえば、開業以来お世話になっていたお客様との悲しいお別れもいくつかあった。以前は毎日顔を覗かせていたお客様が来なくなり、施設に入ったとか、自宅で療養されているなどの話を聞くと、杖をつきながらやカートを押しながらお客様がご来店くださることのありがたみをしみじみ感じる。魚を毎日食べて、どうかいつまでもお元気に過ごしていただきたいと願っている。

市場としては、ムードメーカーだったお米屋さんが引退する一方、ニューフェイスが2店登場。Wingさんは印刷業の他、マッサージ機コーナーを設置しており、反対のコーナーでは丼物を中心とした軽食も提供している。またHana Tominagaさんは、切花、鉢物を店内販売しているが、アレンジメントの注文も受付ている。まだ開店して日が浅いものの、これから地元のお客様を中心に評判が広がっていくことだろう。

世間でいえば、まずはまぐろ不足。まぐろが足らなくなるということは、もう何年も前から危惧されていたのだが、それがメディアなどで認知されたことはいいことだと個人的には思っている。やはり、回転すし店やら居酒屋などで安くまぐろが沢山食べられるという事態が異常なんだと思う。
そして丁度今の話題はノロウィルス。カキ業者が風評被害にあうことに耐えかねて思わずこんなことを書いたりしたが、少しずつメディアでも人を通した経口感染の恐ろしさを中心に取り上げるようになり、カキ擁護にも回ったりしてすこしホッとする。来年からは少しはカキ、売れるかなぁ。

それでは大晦日まで突っ走ってきます。お店としての営業は本日で終わり。明日は予約受け渡し中心になります。

一年間ご愛顧をいただき、どうもありがとうございました。よいお年をお迎え下さい。


| Comments (0)

December 22, 2006

カキの汚名

いやぁ、参った。カキの本格的シーズン到来だというのに、全く売れない。
本当に文字通り全くである。

例年、小粒だけど美味しい三陸の生カキパックを店頭に並べていたのだけど、今年はついに仕入れを中止した。いつもの年だと、カキ好きなお客様達の手があれよこれよと伸び、毎日在庫を確保するのに困るくらいだったのに。

原因は明らか、例のノロウィルス騒ぎである。

確かにノロウィルスの原因食物としての筆頭はカキを中心とした二枚貝が挙げられる。といっても、貝そのものにウィルスが感染するわけではない。食物連鎖を経て、海水中から摂取されたノロウィルスが貝の消化器官に蓄積するのだ。その貝を生食、または完全に火を通さない状態で食べることによりノロウィルスが人体に入り、小腸で増殖すると発症するのである。決して環境内や食物内で増殖することはない。

しかし、いくつかの新聞が報道しているように、今年はまだカキによる食中毒のケースは報告されていないという。なのに、テレビや雑誌では、ノロウィルスという言葉と抱き合わせで必ずカキやシジミが紹介され、まさに「ノロウィルス=カキ」という方程式が出来上がっている。カキの浜値は例年の半分近くまで崩れているらしい。

実は一番怖いのは人→人の感染パターンである。ノロウィルスは、100位からと非常に少ない数でも発症し、また感染力の大変強いウィルスである。先日、豪華客船での集団感染が報道されたが、消毒作業後の出航でまた再び感染が確認されたという。

要は、ノロウィルスのキャリアが手洗い・消毒を励行せず、食物などを通して他の人に感染させているケースが殆どなのだ。ホテルでの集団感染も、宿泊客の吐しゃ物が原因とされ、介抱したホテル従業員からもノロウィルスが検出されたという。

だとすると、不特定多数が訪れる施設の中には、塵埃となった汚物に含まれるノロウィルスが空気中を浮遊しているかもしれないのだ。そういう意味では、忘年会シーズンを迎え、汚れるケースの多い公共交通機関やタクシーが一番危ない場所なのではあるまいか。汚物清掃に次亜塩素酸ナトリウムは使用されているのだろうか。

魚屋としては、どうも汚名を着せられたカキが不憫でならない。カキには新陳代謝や免疫強化の効果がある亜鉛をはじめ、肝機能を良くするタウリン、パワーの源グリコーゲン、各種ミネラルを豊富に含み、まさに年末を目前とした忙しい季節には助っ人的存在の栄養食品なのである。生ガキは敬遠するとしても、鍋やシチュー、スープなど充分な加熱をして是非積極的に摂っていただきたいのだが。

| Comments (0)

December 02, 2006

インフルエンザにノロウィルス

早いものでついに今年もあと一ヶ月を残すところとなった。4週間後には大晦日なんである。またあの怒涛の日々が来るかと思うと頭痛がしてきた。

と思ったら、どうやらホントに風邪をひいてしまったらしい。喉が焼けるように痛んだと思ったら今度は鼻水攻勢。鼻孔の奥が熱く痛い。店主にうつさないようにしないと。

もともと店主はめったに風邪もひかないが、開業してからは、店の日々は包丁を持つ彼の腕一本にかかっているわけだから、大晦日までは(とにかく体を壊さないで、事故も起こさずに無事でいてほしい)と祈る毎日なのである。いや本当に。

丈夫なタチとはいえ、インフルエンザの予防接種だけはかかさない。以前、二年連続で私がかかったことがあり、そのソーゼツさを目の当たりにしているからだ。

特に酷かったのが、長野に一泊温泉旅行にいったときのこと。行きは全く元気だったのだが、現地について昼食におそばをいただいたのだが、なんとなく美味しくなくて残してしまった。店主はうまいうまいと大盛りを平らげていたから、その時から前兆はあったのである。

翌日旅館を出て町を歩き、さあ帰りの列車に乗ろうと駅に戻った途端、体の中からぐわ~っと音がするように悪寒が襲った。ガタガタ体を震わせながら座席にうずくまること数時間。その足でホームドクターに立ち寄り、熱を測ると40度を越していた。

今では、発症してからすぐに服用すれば治る薬があるらしいが、当時はなく、ただただホットケーキのように積んだ掛け布団の下で、何重にも重ね着した身を震わせるしかなかった。平熱も比較的高い私は、39度半ばまでは平気で通常食を口に出来るのだが、この時は水もなかなか口を通らず、解熱はもっぱら座薬、以後数日はドクターの下で点滴をするはめになった。

ドクターは、「こりゃ、奥さんが治ったらダンナ、あんたの番だねぇ」と冗談を言っていたが、狭い自宅の中同室で過ごしていたにもかかわらず、店主には幸い感染することはなかった。

予防接種をしたところで、必ずその年インフルエンザに罹らないわけではない。それでも確率は大幅に低下するわけで用心に越したことはない。

もう一つ、冬場に魚屋が気をつけなくてはならないのがノロウィルスだ。主に生カキなどの二枚貝が原因食品の中心となっており、ノロウィルスを原因とする食中毒は通年みられるが、これらの食品のシーズンである1月から2月をピークに発生件数が増加する。

ノロウィルスは少数でも発症し、また抗ウィルス剤は無い為、万一発症したら対症療法しかない。症状は嘔吐や下痢が中心で数日で治癒するが、高齢者など免疫力の低い人が罹ると死亡に至ることもある。思い当たる症状が出たら、素人判断で下痢止め等でまぎらわさず、すぐに病院に罹ることだ。かえって症状を悪化させることがある。

ずっとずっと昔、会社の同僚が朝から苦しみだし、近くの診療所に担ぎ込んだことがある。彼女は前日私と和食店に行き、そこで生ガキを食べていた。ところがこの診療所がクセ者で、彼女が腹痛がするといえば痛み止めを右腕に、吐き気がひどいといえば左腕にと次々に注射するだけ。最後に彼女が何も口に出来なくてフラフラするといったら、30センチはありそうな大きな注射をさらにズブリ。で、最後にこう言ってのけた。
「カキは鍋に限るねェ」
かえって具合が悪くなった同僚は、そのままタクシーで帰宅していった。同じ物を食べた私はなんともなかったのだが、それから生ガキは口に出来ないでいる。

| Comments (0)

November 22, 2006

ウトロのサンマ

北海道斜里町ウトロの浜に、大量のサンマが打ち上げられたのが今週初め。今月上旬には佐呂間町で竜巻による大被害が発生したばかり。なにかこのエリアに異変が起きるのだろうか?

サンマは夏の間は北方領土近辺を回遊しているが、水温が低下するにしたがって太平洋へ南下する。ただ、一部はオホーツク沿岸に移動するという。今回の座礁組は、イルカなどに追われて逃げ場を失ったという説もあるが、急速な水温の低下で動けなくなりそのまま打ち上げられたという説がどうやら一番有力らしい。

サンマの回遊好適水温は10℃台半ば~20℃。10℃以下になれば動きが鈍くなり、20℃以上では高すぎる。独立行政法人水産総合研究センターの報告によると、今年の紋別沖の週間平均表面水温は、8月の第四週に20.4℃を記録しており、近年では一番近く、また記録時期も一番遅かったという。

地震などの天災が近づいている前触れとは考えにくいが、こうした水温の上昇が、オホーツク沿岸への接近を遅らせていたのかもしれない。
しかし、テレビなどのメディアの影響は大きい。報道後、お客様から「サンマ焼いてる?」というお問い合わせを何件か戴いた。浜の光景を見て食べたくなったのだろうか。
地元の人も若干拾っていらっしゃるらしいが、オホーツク沿岸に来るサンマはもともと20センチ半ばの中小型が主体である。塩焼きにするにはやはり30センチ以上の大型といきたいが、当店では今年はサンマはそろそろ終わり。

ちなみに定食屋さん等では通年サンマの塩焼きを見かけるが、あれは旬の時期に水揚げされたばかりのサンマを急速冷凍したものだ。なんたって一番丸々とした美味しい時期のサンマなので、意外にイケルらしい。生を旬に戴く季節感は忘れたくないが、一方でハシリ(季節の始まり)の需要に対応しなければいけない事情もあるだろう。

| Comments (0)

November 15, 2006

お客様が求めるもの

ずっと暖かい陽気だったが、ここのところようやく朝晩と冷え込み、ぴんとした冬の気配が少し感じられるようになった。売場でもお鍋用に鮭、たらなどの切身を買い求める方が増えてきた。

それでも当店の一番の売れ筋は刺身だ。それこそイワシ、アジなどを丸ごとパッドで並べても、その下に陳列したそれらの刺身に多くの手が伸びる。中には造りたてがいいから、とイワシ一尾を掴んで「刺身!」という方もいらっしゃる。

魚屋としては、加工する手間がない分、丸魚がどんどん売れてくれれば一番ありがたい。その次に切身。刺身は、もっともコストがかかる商品だ。

それでも。お客様が欲しいものを売らなくちゃいけないんだよな、と店主はある話を始めた。

店主がまだ某スーパーの鮮魚担当だった頃の話だ。
ある日、ブリの特売をやることになった。売場を大幅に広げ、刺身と照焼用の切身を中心に売ろうと、スタッフが早朝からブリを捌き、陳列ケースに並べていった。
なのに、お客様が持っていくのは、売場の端に投げ出してあるパックばかり。中にはブリのアラが無造作にパックしてある。

「ちぇっ、なんで皆アラばっかり持っていくんだ」「刺身が売れないぞ。下げてこよう」とスタッフが加工場から売場を見ながら話していると、元社員で会社の取引先だったある方が声を荒げた。

「なに言ってんだ!客はアラが欲しいんだよ!だったらもっとアラを売ればいいだろう!」
と、その方はいきなりブリを三枚におろし、大胆にも真っ二つにして、端からザクザクとぶつ切りにした。骨や頭を叩き切りにして、ブリアラの山をどんどん作り始めた。

夕方には翌日用に確保していたブリまですべて完売したという。

確かにアラじゃ、粗利は切身や刺身の比較にならないだろう。でも売れ残った刺身は明日には回せない。結果的には特売を打っただけの売上げと利益を確保することが出来たという。

ブリ一本をぜんぶアラにした男。大胆だけど、お客様の立場で売場を見直す大切さを教えてくれるエピソードだ。

| Comments (0)

November 11, 2006

「噛む」と健康

ウチの店のお客様は、比較的高齢の方が多いのだが、ひとつ確信に近いことを発見した。

それは、元気な方は歯が丈夫だということだ。

例えばあるお客様。80才をとうに過ぎているのだが、いつも顔はピンク色でつやつや、ゆっくりではあるが杖もつかず市場までご自分でお買い物にいらっしゃる。当店のスタッフの呼びかけに時々わざとボケてみたりして、彼女の周りには笑いが絶えない。

このお客様の一番の好物はイカの刺身。まずその年齢層の方が好んで召し上がろうとはしないネタだ。なのに、ヤリイカ、モンゴウ、スルメなんでもOK。時々にぎり寿司をご注文下さるが、ネタには必ずイカを2カン入れることになっている。

噛むという行為が脳の活性に一役買っているのは多分間違いない。ちなみにこの方、お姑さんから生前「歯だけは大事になさい」と教えられ、なんと全て自分の歯なのだという。

最近流行の食べ物はどれもやわらかくて舌触りがいいものばっかり。時には小魚などを齧ってアゴを鍛えなくては。

そう思い、先日新しく仕入れたばかりの商品「あごの煮干」を口にほうりこんだ。ちょうど週に一度、白山の方からお越しになるお客様が見えたので試食をおすすめする。「ん~、うまいねぇ。噛めば噛むほど味が出る」と喜んでいたら、いきなり(ガリッ)という音がした。びっくりして咀嚼していたものを飲み込んでしまったが、舌先で探ると、なんと奥歯が一部欠けていた。

幸い痛みは出ず、すぐに近くの歯医者にかかったところ、金属を詰めた下が虫歯になっていた。あと数ヶ月気がつくのが遅かったら歯神経にまで達し、根管治療をしなければならないところだったという。結果的にはあごの煮干に救われた形となったが、もっとマメに歯の定期健診をうけなくちゃと反省の巻であった。

| Comments (0)

November 02, 2006

福岡のカツオ

Katsuo
さんまもお役御免。タラやブリなどが中心になる季節を迎えたが、どうもまだまだ鍋物の気分ではない。

さて、冒頭のボケボケ写真。カツオの刺身である。我が家の夕飯に並んだのだが、ふと思いついて、胃袋に納める前にあわてて撮った。

カツオというと高知、焼津、三陸といった地名が連想されるだろう。このカツオは福岡で揚がったものだ。
店主によると、一年のほんの短い間、それも日本海は福岡、下関あたりから、絶品のカツオが入荷するという。昨日今日も馴染みの仲卸で見つけ即買い。
魚体は大きく、5キロ強。普通、例えば伊豆七島周辺でこのサイズのカツオとなると、肉質が硬かったり黒ずんでいたりして、刺身としてはとても売り物にならず、なかなか手が出ないという。

だが、このカツオ。捌いているとねっとりと包丁についてくる。それだけ肉質がしまっていてしかも脂も乗っているということだ。ふだんはしょうが、時に八丈島風にからしで食するカツオも、今日はシンプルにわさびをちょっとのっけて醤油で。

ちなみにブリというと富山・氷見が有名だが、今は北海道のブリが美味しい。そろそろ日本海を南下してくる頃だろう。

| Comments (0)

September 02, 2006

通しの土曜。

「テンミある?」
最近、朝店主が仲卸にかける電話はこの言葉から始まる。天身、と書く。まぐろを輪切りにした場合、背骨部分に近い赤身のことを指す。最近ニュースでも取り上げられているが、まぐろ、とりわけ本まぐろやみなみまぐろの値段が急騰し、入手が難しくなってきている。当店ではこの2つのまぐろの天身をぶつ切りにして販売しているのだが、朝一番に確保しておかないとまず手に入らない。以前書いたように、築地までは車で15分位という恵まれた場所に店があるため、朝も7時近くまで寝ているネボスケ店主だが、さすがにここ2ヶ月位前から6時台には家を飛び出す。

今日はスタッフの一人がお休みのため、朝一番から店に入る。だんなを築地に送り出し、コーヒーを一口啜って家を出発。朝ごはんは食べないのかって?店の近くの「LIVE COFFEE KIMURA」のサンドイッチが、店を手伝う時の私のひそかな楽しみである。
Live_coffee_kimura
自家焙煎のコーヒーも美味しいが、サンドイッチがいろいろあって、さらにトーストしたパンで作ったサンドイッチが私のお気に入り。写真はその中でも最強コンビの玉子サンドとチキンサンド。チキンの方はガーリックがほどよく効いたソースが美味。玉子サンドのフィリングは店の手作りである。私は玉子サンドにはちとウルサイが、巷のチェーンカフェや喫茶店で出される玉子サンドの中身は大抵真空パック入りの出来合い。LIVEさんのサンドイッチを食べると、ちょっと他のは食べられなくなる。

サンドイッチでエネルギーチャージしたら、開店準備を終え、スタッフが入店したところで土曜恒例のちらしずしの仕込みに入る。ネタは当日店主が切るので新鮮そのもの。ただ、そのため店頭に並べられるのは早くて11時頃になってしまう。たまーに9時過ぎに「寿司出来てる?」と来店されるお客様がいるが、ちょっとそれは無理です(笑)。
Photo_4Photo_5
今日のお薦めは、自家製こはだの酢〆とさんま。さんまは今週後半になって価格がさらに下がった。今日は特大サイズの上物を1尾150円で出したが、お昼過ぎには完売。

今日の目玉が予想より早く終わってしまったので、いそいで「天身」のぶつ、刺身盛り合わせを用意する店主。昨日は三浦半島・松輪の地金目が入ってたなんて話をしてたら、「昨日の金目鯛、今日はもうないの」とお客様が来た。今日は下田の金目鯛。昨日の金目ほどではないが、脂ののった上物なのでお薦めする。

夕方5時には刺身類が売り切れてしまった。ちらしずしも完売。これから来るお客様には申し訳ない。翌日が休みということもあって、土曜の仕入れは本当に難しい。こんな日もあれば、午後7時まで買い手のない魚がよりどりみどりの日もあったりして。
Photo_62
8時に営業終了。今日は、真砂市場の消防訓練。四半期に一度、市場内で火災が発生した設定で、消火作業と避難誘導、報告という一連の作業を確認する簡単なものだが、みんな真面目に取り組んでいる。リーダーは肉屋の旦那。
Photo_7
↑いちおうこれが火災発生元です(笑)。
私は消火班。本物の消火器を抱えて火災現場まで走り、号令とともに消火作業。といっても消火器を本当に使うわけではないが...のろのろ作業していると、「やりなおしィィィィ!!!」とゲキが飛ぶ。

訓練が終了し、店を片付けて、市場を出たのは午後9時。早朝からの通しで休んだのはお昼だけ。
ああ、疲れた!

| Comments (0)

August 30, 2006

秋刀魚さんまサンマ...

Samma

まだまだ暑い毎日だが、あの盆休み前の焼け付くような猛暑は一段落したようだ。誰もがバテバテになる日々の一番人気は刺身。火も使わないし、消化もいいし、さっぱりとした生食は体の負担を考えても理にかなっている。

そして、暑さが落ち着いてくると、代わりに主役になるのがさんまだ。夕方、「さんま、まだある~?」と、店に慌てて寄ってくれるお客様の多いこと。午後5時頃ともなれば、残念ながら写真のように残り一尾、なんてこともしばしば。でもこれからじゃんじゃん入荷してきますから、またご利用くださいね~。

秋刀魚のランクは、ずばり大きさで決まる。今のところ一番いいのは、4kgで23-24本入っているもの。20本入りがいいのだけど、まだこの位の大きさのものが主流である。
良い秋刀魚を見分けるコツは、言い古されているけれど、目の澄んだもの、身がキラキラしているもの。口先が黄色いものってのは余り関係ない。それより一番簡単な方法。売ってる魚屋さんに「これって刺身でも食べられるの?」と聞くことである。刺身で食べられる程新鮮な秋刀魚なら焼いても煮ても勿論ウマイってことだ。

さんまに含まれるEPAなどの不飽和脂肪酸は、血液をサラサラにしてくれる。刺身が大好きなお客様がいらっしゃるが、脂を効率的に摂る理想的な食べ方だと思う。付け合せは生姜をおろして。お好みで白ごまをふってもいい。不飽和脂肪酸は酸化しやすいという欠点があるので、抗酸化作用のあるごまを一緒に摂るのはオススメ。

でもやっぱり私は、おろしをたっぷり添えた焼きさんまが一番好き。ワタのほろ苦さ、プチプチ皮から脂が音を立ててはじけるところに箸を入れる時の喜び。店でも焼きさんまを提供しているが、本当は生のままお持ち帰りいただき、是非ご自宅で焼きたてを召し上がっていただきたい。とはいえ昨今の住宅事情、煙やニオイで焼き魚は遠慮しなくてはならないというお声も良く聞く。フライパンで焼く方法を薦める方もいるけれど、やはり七輪やグリルでじゅうじゅう焼くのとは全く違った味(これはこれで栄養を魚体に留める良い調理法なのだが)である。
私も自宅ではガスグリルに付属している旧式の魚グリルを仕方なく使っているのだが使い心地と焼き上がりには不満がある。で、単独でグリルを探しているところ。いい商品にめぐり合ったら、こちらでも紹介したいと思う。

付属グリルが小さくて、秋刀魚を二つに切ってほしいというリクエストも多いが、一番多いのは「ワタを抜いて」というもの。まあ、無理強いはしませんが、もしお酒を飲まれる方だったら、ちょっと強めに塩をきかせて焼いた秋刀魚のお供に赤ワインをお試しいただきたい。ワタの苦味と滋味、焦げた皮の香りにはワイン、それも白ではなく赤のできればメルロー種あたりがバツグンの相性なのだ。ワインを含み、ワタを口に運べば、「内臓なんて」という考えはきっと変わるはずである。そうそう、赤ワインには抗酸化物のフラボノイドが豊富ではないか。やっばり、秋刀魚とは良いパートナーなんだなぁ。

| Comments (0)

August 14, 2006

魚屋開業秘話その六

そして開店日当日。

千葉の仲卸、マルテさんは、日光街道をブンブン飛ばして特別に7時頃荷を届けてくれた。貝類は洗って樽に入れ、水を注ぎ、念のため砂抜き。丸魚を店主と達人が次から次へとおろす。8時にはスタッフが集合。冷蔵庫から商品を出し、電源を入れた陳列ケースに並べる。おつり用の小銭をレジにプールして、操作の最終確認。昨日届けられた開店祝いの花を売場に邪魔にならないように並べる。
9時の開店まであと少し。お客様は来てくれるだろうか。

9時。9時10分。9時30分。9時50分。お客様はまだ一人も来なかった。

ほっとするのとがっかりするのと半々。ふと店主を見た。まだ商品を捌ききれていないため忙しそうにしている。山盛りに用意された商品。果たして売れるのだろうか。急に不安になる。
Cimg0469
10時には、真砂市場の店長達と区の経済課の方々で、簡単な開店式をしてくれた。最後に一本締めをしたあたりだ。気がつくと売場に沢山のお客様が来ていた。
Cimg0470
ちんどん屋さんの演奏が始まった。クラリネットで奏でるメロディーに太鼓、鉦が重なる。段々音が大きくなる、市場の中に入ってきたのだ。後ろには、お客さんがぞろぞろとついて来ている。
そこからは余り記憶にない。とにかく商品を売場担当から受け取り、レジを打って、おつりと手提げ袋にいれた商品を渡すという作業の繰り返し。四方八方から手がのび、どのお客様の分が先だか分からない。たぶんちゃんと休憩もとり、昼食も食べたはずなのだが覚えていない。気がつくと閉店前になっていた。

売場を直していると、「ちょっと!」と後ろから声が聞こえた。商品の渡し間違いがあったようだ。都合の悪いことに、お客様が買おうとした商品は売り切れになっていた。何度も謝ったのだがお客様の怒りは収まらない。結局返金することになり、お金を渡そうとすると、そのお客様は私の手からお札をむしり取り、「だめね、この店は!」と吐き捨てるように言って帰られた。これから途方もなく長い商売への道を実感した最初の出来事であった。

真砂市場からの他、何人の店主の方からは個人的にお祝いを貰った。このうちの一人の方がお祝い袋に添えられた一言を忘れない。
「商いは、一日一日辛抱の連続です。毎日一緒にがんばりましょう」

あれから早いもので7年。決して順調な時ばかりではないが、この言葉を心に毎日頑張っている。

| Comments (0) | TrackBack (0)

August 12, 2006

夏季休業のお知らせ

Misesasimi

真砂市場内・魚寅は、明日8月13日より16日まで休業いたします。
なお、連休明け18日と19日は特売セールを行います。ランチタイムのうなぎ弁当の他、合計10種類以上の魚寅定番商品をどどんとお値下げします!ご来店心よりお待ち申し上げております。(店主)

| Comments (0) | TrackBack (0)

August 11, 2006

魚屋開業秘話その五

開店日前日。
全スタッフが集合。当日の役回りを確認したら、皆で手分けして陳列する商品の準備にかかる。
するめいかや刺身のネタは当日入ってくるが、塩鮭などは切り身にして、当日朝すぐに陳列できるよう用意しておく。手に取りやすいようトレイに並べてラップする。臨時スタッフの皆さんはさすが経験者、手際がいいことといったら、こっちが一つラップしている間に5つも6つも包装してしまう。
そう、私は会社から休暇を貰って、3日前からラップの特訓をしていたのだ。包装した商品はすぐに冷凍庫や冷蔵庫に保存する。だから作業にはスピードが必要とされるし、冷凍庫の場合、ラップの巻きが甘いと、ふたたび取り出したときにはヨレヨレになってしまうのだ。
トレイにラップをかけ、ぐっと引っ張りながら勢い良くトレイを手前に引き、ラップを切る。今となっては何ともないこの作業が、未経験者にはどうしてもうまくいかない。
苦戦していたら、お茶屋、米屋、肉屋の旦那が店頭でニコニコしながら見物してる。「えー、奥さんお店やったことないの?ふーん、そりゃ大変だね」「違う違う、もっとぐっと引っ張るの!」「そうそうそう、その調子、そこでくるっと巻く。くるっと。あれ?あーあー」と、こちらの一挙一動に反応してジャスチャー付きでご指導下さる。ウチはまだ開店前だけどいいの?ホラ、お客さん来てるよ!

新聞の折込チラシは手配したものの、それだけでお客さん来てくれるだろうか?急遽小さなチラシを作り、近所にポスティングすることにした。マンションなどのポストに入れる時はドキドキする。今はどこも「投げ込みチラシお断り」って書いてあるから、人が来るたびに注意されるんじゃないかとヒヤヒヤしたものだ。
帰り道、空を見上げる。人が往来し、車がひっきりなしに通り過ぎる白山通り。ビルの谷間。この中の一体何人が明日お店に来てくれるんだろう。急に不安になり、ため息をついた。

| Comments (0) | TrackBack (0)

August 09, 2006

魚屋開業秘話その四

Masagoichiba
開業する場所は文京区民センターの一階にある真砂市場。大正時代から続く古い商店街である。
店主の皆さんがあつまる月一度の会議に、ご挨拶のためお邪魔することになった。

生鮮三店(青果・精肉・鮮魚)が一つでも欠けると客足に大きく影響する。夏にずっと営業されていた魚屋さんが引退されてから、店主の皆さんは危機感を強く感じていたという。店主が店のイメージ、営業方針などを説明すると、「何だかまたやる気が沸いてきたな!」「よし、開店セールは皆で盛り上げよう!」と段々店主達の目が輝いてきた。と、
「よしっ!ちんどんだぁっ!」...ち、ちんどん?
さすがは都会の下町本郷である。パチンコ店だけではない。商店街のイベントにちんどん屋さんは欠かせない存在なのだそうである。
Cimg0422
開店セールに併せて、各店でも特売をしてくれることになった。上は、新聞折込にした開店セールのちらし。

開店セールの臨時ヘルプは確保したが、常用で働いてくれるパートさんを雇用しなくてはならない。工事中の店頭と市場の掲示板にパート募集の張り紙をするとともに、ハローワークで求人申し込みをしてきた。幸いなことに、地元の魚屋でパート経験のある方、うなぎ問屋で働いていたことがある方2名から応募を頂いた。そのうち一人は今でも当店を支えてくれている。有難いことだ。

| Comments (0) | TrackBack (0)

August 07, 2006

魚屋開業秘話その参

創業にあたり、店主がもっともフルに活用したもの、それは人脈だ。
まずは仕入先。築地には飛び込んで新規開拓をしたものの、毎日全部築地で買っていたら、店主の軽自動車には全部積みきれない。そこで、サラリーマン時代に付き合いのあった千葉県下の卸売市場の仲買に交渉、毎朝トラックで配達してくれることになった。

お店のレイアウトを決定し、すぐに内装工事の手配。これも元勤務先の先輩から聞きつけた合羽橋の業者にコンタクトをとり、なんとか開店までに間に合わせてもらうことに。
Maguroreizouko

魚屋は、売場の冷蔵陳列ケースの他、バックルームのプレハブ式冷蔵庫、マイナス50度で保存できるマグロ専用冷凍庫が必要だ。この二つは千葉の仲卸が知り合いの業者に口を聞いてくれることになった。ところが、マグロ冷凍庫はいざ納入となったら、交渉した値段より高かったため、カッとなった仲卸の若旦那、業者と取っ組み合いの大喧嘩になり市場は大騒ぎ。「皆で押さえ込んで大変だったよ~」と仲卸の社長は苦笑い。

そして人材。開店セールは臨時ヘルプの投入が必要だ。店主、私(妻)、私の両親だけではちょっとムリ。店主が元上司に相談したら、元勤務先のパートさん、たまたま会社を辞めたばかりで体が空いている鮮魚の達人と、あれよこれよという間に3人の方がセール期間に手を貸して下さることになった。

店主は特に人望があるわけではない。単純明快なキャラを愛してくれる人もいた反面、どちらかというとイエスマンタイプの人間ではなかったから、企業の中では敵も結構いたんじゃないかと思う。でも彼なりに人とのつながりを大事にしてきたことが今につながっているのだ。
自分の城を構えるようになると、従業員だった時よりも頭を下げる回数は増えるし、周りの人々のサポートが無ければやっていけないことを実感するようになる。もし、人とのつきあいがいやだ、自分の好きなことだけをしていたいと思っている人がいたら、商売を始めることは選択肢に入れない方がいい。

| Comments (0) | TrackBack (0)

August 05, 2006

魚屋開業秘話その弐

さて次はお金である。もちろん若干の資金はあるものの、それだけでは運転資金を賄えない。それにまずお店の内装やら電気工事やら冷蔵陳列ケースやら使途はいくらでもある。金融機関から融資を受ければ、区には支払い利子の補助をする心強い制度がある。

張り切って出掛けた店主が、ぷんぷんしながら帰ってきた。銀行の融資窓口に相談に行ったら、担当者は「とりあえず検討します」といったきり、申し込み書類の中身をろくすっぽ確認もしないで奥に引っ込んでしまったというのだ。「ずいぶん横柄な対応だな。あそこから借りるのはヤメた!」

確認したら、行ったのは泣く子もだまるメガバンクの支店(当時はまだ某財閥系の銀行)だった。しかも、そこには定期預金どころか普通預金の口座さえ開設していない。要は、体よく断られたのだ。店主にそう言うと、「えっ!貸してくれないのか?」と相当なショックを受けていた。

今も思う。大きな事を始める時、何よりも必要なのは勢いだということを。開業、開店とそのめまぐるしいプロセスをこなすには、心配するよりまず行動に移すことが必要だ。融資を受けるには、その金融機関との取引実績が必要だという世間の常識を無視して銀行窓口に飛び込んでしまうという「行動力」にはいささかめまいを感じるが、恥も外聞もなく片っ端から物事をやっつけていく、その位のエネルギーをイチからの開業には要求される。

| Comments (0) | TrackBack (0)

August 04, 2006

魚屋開業秘話その壱

Cimg0421
店主のジャンパー。創業時に作ったものは襟がボロボロになって取れかけたので引退。これは、二代目ジャンパーだ。

約7年前、鮮魚店の創業を決意した店主が真っ先にしたことは、合羽橋に行って店名入りジャンパーを作ることだった。私は「なあに、一城の主がそんなに嬉しいの、はしゃいじゃって」と茶化したが、「馬鹿いえ。築地に行くためには必要なんだ」と言い返された。

数日後ジャンパーが出来上がり、次の朝さっそくそれを着て、店主は築地場内市場に向かった。そしてこれはと思う仲卸にかたっぱしから名刺を渡して挨拶したのだ。

実際、このジャンパー作戦は正しかったようだ。名目上は業者のみ入場可となっている場内市場だが、一般客や観光客も沢山いる。仲卸だって商売なんだから、次はいつ来るか分からないような一般客より、「本物の」業者には有利な売値にしてくれる。商品の価格なんてあるようでないようなもの。値段が他の客に分からないように、各店では独自の符牒を使っているのだ。
もちろん業者だからといって必ずいいものを持たせてくれるわけではない。むしろ言葉は悪いが騙し合いのような時もある。それは騙された方が負け。頼りになるのは自分の選眼だけである。それは7年経過した今でも毎日そうである。

で、不景気真っ只中に開業した魚屋を、仲卸の人達は概ね好意的に迎えてくれたという。「これから魚屋をやるだぁ?随分と度胸があるじゃねえか」
開店セールには赤字覚悟で目玉商品を品切れしないように用意しなければならない。店名入りジャンパーで創業のコミットメントを示したのが奏功したか、なんとかある程度の商品を確保することができたのだった。

| Comments (0) | TrackBack (0)

July 28, 2006

いいサービス考え中

Cimg0299

さて、先日買い求めたメモノートに記した「コーヒー回数券」とは。
実は、ポイントカードに代わる、お客様にとってお得なサービスを考え中なのだ。なあんて書くと、ポイントカードを止めちゃうの?なんて思われそう。確かに文京区共通ポイントカード(通称ぶんぶんカード)は、スタート当初よりはかなりその認知度も上がったと思う。が、全体的にはまだまだ知られていないし、決定的な販促ツールとはなっていないのも事実である。

大抵のポイントカードは同じようなシステムだと思うが、ぶんぶんカードの場合、加盟店がプリペイド方式でポイントを購入する。そして、レンタルしたポイント端末を使って、お買い上げ金額に応じたポイントを供与する仕組みだ。わずかとはいえ、売上げの数パーセントの経費が掛かる。せっかくコストを掛けたのだから、差し上げたポイントはこつこつためていただいて、満点となった暁には、自分の店で満点カードを使ってお買い物をしてもらう。これがポイントサービスによる販売促進であり、また「先行投資」した分を回収する最高のシナリオだ。

だが、事はなかなか思い通りにならない。まず、折角ポイントカードを新規で作られたのに、結局使っていないお客様がことの他多い。理由はいくつかある。まずは、他店もポイントカードを乱発しており、財布の中がポイントカードで一杯になってしまい、使う頻度の低いものは整理されてしまうケース。次に、薄いカードだから、どこかに紛れたか落としてしまい、もういいや、と再発行を拒否されるケース。最後が、これは非常に本郷ならではだなぁと感じているのだが、お客様がカードを提示されないため、ポイントがたまらないケースである。

最後のケースは、もう少し説明を要するだろう。店主がこの本郷で創業して何よりも驚いたのは、「お客様の品格の高さ」であった。脱サラする前、彼は東京・千葉・神奈川の各店舗で鮮魚マネジャーとして働いていたが、これほどまでにクレーマーやバーゲンハンターが少ない地域はおそらく初めてだという。それどころか、お帰りになる時にお辞儀をされたり、忙しい時期に差し入れを下さったりする。魚の品質にはこだわる方が多い一方、一円でも安く買おうとされるお客様は限りなく少ない。お金のことに細かくこだわるのは野暮とする、江戸っ子気質も起因しているかもしれない。

閑話休題。とにかく、「ポイントカードはお持ちですか」とお聞きしないと、カードを提示しない方が非常に多いのである。数百円の買い物でカードを出すのは気が引ける、とお考えなのだろうか。慎ましいお客様には却ってこちらも恐縮してしまうが、たとえ1ポイントでも、毎日貯めれば1年足らずで満点カードを手にしていただけるのだ。一日でも早く満点カードでお買い物をしていただくためには、声掛けが必要だと強く感じた。

カードを持っている(た)のに、ポイントを貯めないお客様の他、「ポイントカードの類は一切要らない」とおっしゃるお客様もこれまた多い。カードがじゃま、ポイントをこつこつ貯めるのがめんどくさいという理由が多数を占めるようである。

ポイントカードより割引率が大きくて、すぐ商品と交換できるサービスはないものか。そう考えていた私の目に飛び込んだのが「コーヒーサービスデー」という張り紙だ。某コーヒーチェーンが、特定の日に限り、割引率の高いコーヒー回数券を販売していたのである。

そこで私が思いついたのは、当店の買い物券を、特定日だけプリペイド(前払い)式で販売することである。できれば当日だけでなく、もう1回は来店していただかないと使いきれないくらいの金額で、プレミアムを付けて販売する。買い物券には独自のナンバーをつけておき、万一紛失された場合は別ナンバーで再発行する。
お客様としては、ポイントカードに比べはるかに早いサイクルで商品交換ができ、したがって財布に保有している期間も短いのでそれほど「荷物」にならないだろうと考える。また、確実に当店での買い物に使用していただけるので、ポイントカードよりも高い割引率を提示できるメリットがある。特定の日だけ販売することで、特売日と同じような効果も期待できるかもしれない。

なんて簡単に考えたけど、買い物券の番号管理など、様々な問題をクリアにしないと実現は難しい。それでも、何か他にいいサービスは無いか、メモノート片手に考えてる毎日なのである。

| Comments (0) | TrackBack (0)

July 18, 2006

魚寅のホームページ!

ようやく、魚寅のホームページが完成。

パソコンを始めた頃は、お店のホームページを作るぞ!POPはみんなキレイにワードで作ってやる!アクセスで顧客管理だっ!などと、小鼻を膨らませて張り切っていたのだが、それからあっという間に七年が経とうとしている。

店主は超アナログな人間。携帯電話にメールを送っても、電話で返事するようなヤツ。POPはヘタの横好きの筆文字が、一番訴求効果があると信じている(これは、確かにそうかもしれない)。アクセスも習ったけど、結局顧客データベースなんてのは、住所録ぐらいしか使わないのでエクセルで充分。誰々さんは何の魚が好き、とかは店主の頭の中にしっかり入っているのだ。

ホームページも、当初は通販だ、特売情報配信だなんて考えたのだけど、今は取り合えずお店のパンフレット代わりという位置付け。このブログとリンクするために後追いで作ったような感じになってしまった。

店主の横顔も出てますので、まあ見てやって下さい。

| Comments (0) | TrackBack (0)

July 02, 2006

おそうじ隊~酒菜 向日葵(ひまわり)にて

Souji
昨日7月1日は、真砂市場恒例の清掃の日。ボランティアの方も含め、市場の周りを清掃する運動をここ3ヶ月程続けている。当店でもNさんが参加。白山通りの路上はもとより、車道との境に捨てられているタバコの吸殻や空き缶を丁寧に拾う。

夜は水道橋・三崎町の「向日葵」さんに寄る。以前は市ヶ谷で営業されていた和食の店だが、隣町に先月移転されたのでお祝いも兼ねて。マスターは銚子の出身で、地元から揚がる海の幸を美味く食べさせてくれる。かつお、金目鯛や、マイワシもよく入るらしい。魚河岸でも国産は品薄で、今では高級魚の感すらあるマイワシが入手できるなんて羨ましいの一言。

Himawari

ゴーヤーチャンプルー、注文してから茹でてくれる枝つき枝豆、子持ち昆布、アスパラ胡麻クリームあえ、茄子と高野豆腐の炊き合わせなどに舌鼓。絶品だったのはてんぷらと、しいたけや万願寺唐辛子に、芝海老のしんじょうをはさんで揚げたもの。ここは焼酎や地酒も豊富にそろえてある。棚には、なんとプレミアム焼酎の「百年の孤独」が。思わず注文しかけたが、咳止めを服用中でお酒はご法度、じっと我慢の子でした。

| Comments (0) | TrackBack (0)

June 24, 2006

魚屋に関する誤解

魚屋をやっている、と言うと必ず言われることがある。

その1。「魚屋さんって、朝早くて大変よね~」。
これは、ウチに限っていえば誤解である。ダンナの起床時間は午前6時半。いや、正確には起床時間でなく、ふとんの中から仲買さんからかかってくる電話に出るため、受話器に手を伸ばす時間である。「何か面白いモンある?」「いくら?ピンピン?(注:ピンは1。ピンピンだとキロ1100円のこと)」など一通り話すと、ふとんから受話器をもった手を電話まで伸ばし、空いた手をふとんに戻して二度寝している。もうギリギリまで寝ていて、6時50分頃ようやく体を起こし、7時過ぎに自宅を出て行く。ほらね、サラリーマンの方より寝坊でしょう。勿論、朝早くから河岸に行く魚屋さんも多い。また仲買さん達の一日は、午前1時~2時くらいから始まるので、ホント大変である。

その2。「いいわね~、毎日新鮮なお魚が食べられて」。
確かに、毎日魚が食べられる。しかし、好きなものを好きなだけ、というワケには行かないのだ。「あら、別に私毎日同じ魚でもいいわ~」とおっしゃる方もいる。本当でしょうか。飽きますよ、さすがに3日連続で鯵の刺身とか、いかそうめんとか。そもそも夕食に並ぶのは、当日売れ残った刺身や焼き魚なので、時折完売御礼なんていうことになると、もう嬉しくって嬉しくって。売れたのが?いいえ、肉料理が食べられるのが。

その3。「大変よね、冬は寒くって。体が冷えちゃうでしょう?」
これも、ウチに限っては当てはまらない。確かに水道の水は冬になると痛いほど冷たい。でも夏だって、商品の鮮度を保つために氷水に手を突っ込んで頭痛に悩まされているのだ。水に関しては確かにタイヘンだけど、店内が寒くて冷え込むことはない。冷蔵ケースを3台も並べていると、放射熱でかえって暑いのだ。スーパーなんかもそうだと思うけど、冬場にわざわざ暖房を入れることはない。冷蔵ケースやら備品の熱で充分暖かくなってしまうのである。勿論、自宅で営業されている町の魚屋さんは売場が外なので大変だろうなと思う。

いかがでしょうか?一般の方々は魚屋は大変な稼業だと思って下さっているようだ。確かにキツイ仕事で、その割りにアガリも少なく(ロスも多いし)当たっていることは当たっているのだけど、上の1~3に関してはいつも答えが「いいえ、そうでもないんです」になっちゃうので、期待を裏切っているみたいで申し訳ないのである。

| Comments (2) | TrackBack (0)

June 15, 2006

冷蔵ケース入れ替え

中古で購入した、扉つきの大きな冷蔵ケース。だんだんゆがみが出てきて、お客様が扉を開けるのに苦心されているのを多く見かけるようになり、このたび新しい冷蔵ケースに買い換えた。

こんどは2段式のケース。商品を陳列できる面積はさして変わらないが、冷却は強力になり、なによりも商品を手にとっていただきやすくなったと思う。開店当初はいわゆる対面方式で丸魚を中心に陳列していたが、お客様に直に商品を手にとっていただき、お好きなものをお求めいただくために、セルフ販売方式に切り替えた。

よく百貨店の地下食品売場で切り身を氷やざるに並べているが、あれは表面が乾かないよう定期的に水を振り掛けているのだ。見た目は美味しそうでも、セルフ方式で一般的なトレイにラップでパックする場合より、実は商品の劣化は圧倒的に早い。

先週土曜にケースを替えたが、その効果からか、あじの干物や塩鮭など、いわゆる塩干物がだいぶ動くようになった。商品の手に取りやすさも売上げアップには重要なのだと再認識した次第である。

| Comments (0) | TrackBack (0)